情報弱者等への配慮を含めた感染症に対する適切な情報提供・リスクコミュニケーションに関する研究

文献情報

文献番号
201123031A
報告書区分
総括
研究課題名
情報弱者等への配慮を含めた感染症に対する適切な情報提供・リスクコミュニケーションに関する研究
課題番号
H22-新興・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀口 逸子(順天堂大学 医学部)
  • 吉川 肇子(慶應義塾大学 商学部)
  • 杉浦 淳吉(愛知教育大学 教育学部)
  • 重松 美加(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 城川 美佳(富山大学附属病院専門医養成支援センター)
  • 濱田 篤郎(東京医科大学病院 渡航者医療センター)
  • 竹中 伸一(財団法人結核予防会結核研究所)
  • 高木 彩(千葉工業大学社会システム科学部)
  • 山崎 瑞紀(東京都市大学環境情報学部)
  • 早坂 信哉(順天堂大学 医学部)
  • 金田 英子(東洋大学法学部)
  • 福島 慎二(東京医科大学病院 渡航者医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,225,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
継続したリスク認知に関する状況を把握し、それに基づき情報弱者に配慮したリスクコミュニケーションツール(Webを含む)を開発、評価、利用可能性を検討しその普及を図る。
研究方法
リスク認知では、Web調査を実施した。小学生対象媒体は、授業に利用する指導要綱と質問紙による評価票を作詞し授業の前後比較による評価を行った(三重県内小学校)。幼児対象媒体は、集団対応となる紙芝居で、ギミックを用いた。これらはディスカッションにより作成された。HPはデザイナーや研究協力者とのディスカッションにより精査を行った。HP利用者(想定)への専門用語の認知について携帯電話を用いた調査やWeb調査を実施した。日経テレコンの新聞記事検索から東日本大震災と感染症発生に関するメディア報道について検証した。    
結果と考察
約1000名対象調査結果では、リスク認知は既知の感染症(ノロウイルス、O157等)と現状身近でない感染症(狂犬病、エボラ出血熱等)とは異なる因子に分類された。感染症で死に至る、バイオテロの被害者になるとしたものは、「どちらかといえば起こりそうだ」13.3%、7.9%「起こりそうだ」3.3%、2.1%であった。震災
で発生した感染症に関しては、食中毒の集団発生記事が見られたが、多くは予防啓発記事となっており、その紙面が社会面やトップ記事ではなかった。7症例発生した破傷風は、その際は多く取り上げてはおらず、ボランティアへのワクチン接種の呼びかけであった。狂犬病予防普及啓発カードゲームはゲームの前後の知識量の増加が確認できた。また専門家ではない学校教諭での利用可能性が考えられた。「手洗い」動作の習得を目的として幼児対象媒体の紙芝居が試作された。ギミックを使用することから実際の動作が覚えられると考えられた。手洗い場面として食事前、帰宅後、トイレ後の3つがある。今後フィールドで使用し評価を行う。動物由来感染症HPはリライトしデザインを一新した。双方向コミュニケーションツールとしてのHPは、情報弱者として日本語が苦手である人々への日本国内の感染症情報を提供できるように工夫した。
結論
感性した媒体の効果は確認でき集団への利用可能性が高いことがわかった。試作した教材は試用し、Web画面は心理実験を行い、その効果確認をしなければならない。

公開日・更新日

公開日
2012-06-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123031Z