重症呼吸器ウイルス感染症のサーベイランス・病態解明及び制御に関する研究

文献情報

文献番号
201123026A
報告書区分
総括
研究課題名
重症呼吸器ウイルス感染症のサーベイランス・病態解明及び制御に関する研究
課題番号
H22-新興・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
木村 博一(国立感染症研究所 感染症情報センター第六室)
研究分担者(所属機関)
  • 小沢邦寿(群馬県衛生環境研究所)
  • 調恒明(山口県環境保健センター)
  • 竹田誠(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 野田雅博(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 松山州徳(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 水谷哲也(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 黒田誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
  • 梁明秀(横浜市立大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
30,492,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ほとんどの呼吸器ウイルスは、気管支炎や肺炎などの重症感染症を引き起こすが、本邦においては、重症呼吸器ウイルス感染症の実態及び病態には不明な点が多い。また、これらのウイルスに対するワクチン開発もほとんど行われていない。そこで、本研究は、重症呼吸器ウイルス感染症における包括的なウイルスサーベイランス、重症化の病態解明及びワクチン開発に資する研究を行うことを目的とする。
研究方法
気管支炎や肺炎などに関与する呼吸器ウイルスを細胞培養法やPCR法などを用い網羅的に検出する。
重症呼吸器感染症患者の網羅的な疫学情報に関する実態調査を全国地方衛生研究所と連携して行う。呼吸器ウイルス検査法の開発・改良及び標準化などに関する研究を行う。重症呼吸器ウイルス感染症(特にHRVとRSV)に併発するサイトカインストームと感染喘息の病態解明・制御に関する研究を培養細胞系で行う。臨床分離株の各種の膜型プロテアーゼに対する感受性を調べ、その中で特に重要な膜型プロテアーゼの結晶構造を明らかにし、将来の抗肺炎ウイルス剤の開発に繋げていく。呼吸器ウイルスに感受性を有する不死化細胞の確立及びコムギ無細胞タンパク質合成系を用いたウイルス抗原タンパク質の大量合成系の開発等を行う。
結果と考察
種々の呼吸器ウイルスが肺炎や気管支炎に関与していることが明らかになった。HPIV感染肺繊維芽細胞からは、種々のサイトカインが誘導されることが明らかになった。HMPVとCVはTMPRSS2に依存して感染することが明らかになった。コムギ無細胞系で、HPIV-3のHN全長蛋白合成が可能になった。
結論
重症呼吸器ウイルス感染症には、種々の呼吸器ウイルスが関与していることが明らかになった。また、HMPVやCVは特定のプロテアーゼに依存して感染が生じることがわかった。さらに、コムギ無細胞系でHPIV-3のワクチン開発に資する抗原作成が可能になった。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123026Z