文献情報
文献番号
201122122A
報告書区分
総括
研究課題名
新規薬剤の生体内スクリーニングシステムの確立と網膜保護用デバイスの開発
課題番号
H23-感覚・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
阿部 俊明(東北大学大学院 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 中澤 徹(東北大学大学院 医学研究科)
- 西澤 松彦(東北大学工学研究科)
- 永井 展裕(東北大学大学院 医学研究科)
- 植田 弘師(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
17,370,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
安全性が担保された既存薬薬剤ライブラリー等を用いた網羅的薬剤スクリーニングを行い、網膜保護効果のある薬剤を探索し、同時に低分子から蛋白質まで幅広い用途にあわせた薬剤を持続的に徐放できるデバイスの開発を行うことを目的とする。
研究方法
1)デバイスの作製(23年度)
TEGDM(Mw283)でデバイス外側を作成する。徐放膜面はPEG/TEG比を調整するか、コラーゲン・PEGで調整する。
2)候補薬剤スクリーニング(23-24年度)
①すでに臨床薬として承認されている既存薬ライブラリー(1274種)と米国でヒト安全性は確立されたが最終的に製薬にならなかった薬剤ライブラリー(1040種)で網膜細胞の培養を利用して、低栄養・虚血負荷に対する保護効果スクリーニングを行う(23-24年度)。②東北大学に特許のあるプロリル水酸化酵素阻害薬、終末糖化産物AGE阻害剤、PAI-1阻害薬、これまでの研究成果のバソヒビン、HSP誘導剤、抗活性酸素薬、神経栄養因子などを候補薬剤としてその効果を調べる。
3)薬効検討システム(23-25年度)
候補になる薬剤はすべて強膜上にデバイスを固定して検討。眼内組織への薬物移行性の評価はラベルできる分子は蛍光色素で標識し組織学的に、直接蛍光色素を測定して評価する。経時的に網膜電図、眼底検査などを行うが、必要に応じてより詳細な組織学的検査、アポトーシス検査、各種遺伝子発現検査も予定する。
TEGDM(Mw283)でデバイス外側を作成する。徐放膜面はPEG/TEG比を調整するか、コラーゲン・PEGで調整する。
2)候補薬剤スクリーニング(23-24年度)
①すでに臨床薬として承認されている既存薬ライブラリー(1274種)と米国でヒト安全性は確立されたが最終的に製薬にならなかった薬剤ライブラリー(1040種)で網膜細胞の培養を利用して、低栄養・虚血負荷に対する保護効果スクリーニングを行う(23-24年度)。②東北大学に特許のあるプロリル水酸化酵素阻害薬、終末糖化産物AGE阻害剤、PAI-1阻害薬、これまでの研究成果のバソヒビン、HSP誘導剤、抗活性酸素薬、神経栄養因子などを候補薬剤としてその効果を調べる。
3)薬効検討システム(23-25年度)
候補になる薬剤はすべて強膜上にデバイスを固定して検討。眼内組織への薬物移行性の評価はラベルできる分子は蛍光色素で標識し組織学的に、直接蛍光色素を測定して評価する。経時的に網膜電図、眼底検査などを行うが、必要に応じてより詳細な組織学的検査、アポトーシス検査、各種遺伝子発現検査も予定する。
結果と考察
既存薬ライブラリー(2314種)からスクリーニングを行い、1617種(約70%)が終了した。複数の網膜保護候補薬剤があると推測された。薬剤徐放デバイスは今回は動物モデルを作製しやすいラット用の薬剤徐放デバイスの作製を試みた。チャレンジングな試みではあったが、大型デバイスと同等の薬剤徐放力があることが判明した。すなわち薬剤は初期バーストがなく持続的に徐放できた。また一方向性の徐放も確認でき、20匹以上のラット強膜上に移植もでき、デバイス内分子の眼内移行が確認できた。次年度はそれぞれの薬剤のデバイスからの徐放と生物学的活性を確認し、ラット動物モデルにおいて薬剤徐放の効果を確認したい。
結論
候補薬剤が複数スクリーニングされ、薬剤のデバイスからの徐放は強膜上からでも眼内移行が確認され、1年目終了時の研究目標に十分に到達することができた。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
-