発達障害者の生涯発達における認知特性面からの能力評価方法の開発と活用ガイドライン作成に関わる研究

文献情報

文献番号
201122119A
報告書区分
総括
研究課題名
発達障害者の生涯発達における認知特性面からの能力評価方法の開発と活用ガイドライン作成に関わる研究
課題番号
H23-精神・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
上野 一彦(独立行政法人大学入試センター 入学者選抜研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 宮本 信也(筑波大学 人間総合科学研究科)
  • 松田  修(東京学芸大学 教育学部教育心理学講座)
  • 繁桝 算男(帝京大学 文学部心理学科)
  • 石隈 利紀(筑波大学 人間総合科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
5,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、生涯発達において支援を要するさまざまな人々の実態を正確に把握するための一つの側
面として認知特性を考える。特に、障害領域として十分な成熟を見ていない発達障害の認知能力面に
焦点を当て、その能力を評価するための国際的にも汎用性のある評価方法をわが国でも開発し、その
活用ガイドラインを作成することを目的とする。
研究方法
4つの研究分担グループを編成し、グループごとに以下の方法で研究を進めた。
A班…発達障害、特にLD の評価基準について、内外の情報を集約し、学際的な判断基準構築のための理論研究を行った。
B班…原版ウェクスラー知能検査の理論・解釈マニュアルをもとに、発達障害事例の認知特性の比較検討と、合成得点指標の弱さから予想される困難を検討した。
C班…日本版WISC-Ⅳの標準化データを使用し、多変量解析によって、認知特性の構造を統計学的モデルによって検討した。
D班…日本版WAIS-Ⅳの研究版を作成するために、ワーキンググループを作成し、パイロット調査の実施に入った。
結果と考察
A班…7カ国におけるLD、ADHD、自閉症の定義・診断基準、並びにLDに関連する医学・教育定義等、専門用語の使い方検討した。各国においてLDに関する統一された評価方法はなかったものの、欧米諸国では標準化された検査を用いていた。また、日本では医学的診断が優先されているのに対して、欧米諸国では心理士などによる教育側での判断が優先されていた。
B班…原版WISC-Ⅳ、WAIS-Ⅲ、WAIS-Ⅳについて、認知構造の症例的特徴と経年的変化の解釈研究を行った結果、読字障害、算数障害、ADHD、 自閉性障害・アスペルガー障害における認知特性の特徴が指標から明らかにされた。
C班…日本版WISC-Ⅳの標準化データについて、CHC モデルとWISCモデルとの比較を、確認的因子分析で行った結果、比較的若い年齢層ではWISC モデルが妥当であり、年齢の高い群ではCHC モデルが妥当であることが明らかにされた。
D班…4つのワーキンググループを編成し、10の中核検査と5の補助検査について各ワーキンググループの分担を決定し、作業を開始した。ワーキンググループでの項目の翻案化、選定などはほぼ終え、標準化のためのパイロット研究(項目分析)を進めた。
結論
本年度で各グループとも、基礎的準備段階の研究が終了した。各グループの研究成果は、統括班により情報の共有化が図られた。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122119Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,100,000円
(2)補助金確定額
7,100,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,276,588円
人件費・謝金 243,861円
旅費 211,050円
その他 730,947円
間接経費 1,638,000円
合計 7,100,446円

備考

備考
預金利息446円

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-