アウトリーチ(訪問支援)に関する研究

文献情報

文献番号
201122114A
報告書区分
総括
研究課題名
アウトリーチ(訪問支援)に関する研究
課題番号
H23-精神・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
萱間 真美(聖路加看護大学 精神看護学)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 敬(国立保健医療科学院)
  • 野中 猛(日本福祉大学 社会福祉学部 保健福祉学科)
  • 三品 桂子(花園大学 社会福祉学部 臨床心理学科)
  • 野口 正行(岡山県精神保健福祉センター)
  • 伊藤 順一郎(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所社会復帰研究部)
  • 西尾 雅明(東北福祉大学 地域精神保健)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
3,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、精神障害者アウトリーチ推進事業の実践モデルを詳細に検討し、将来の制度設計のために収集することが必要な体制、業務量、業務内容に関する項目について検討した。行政と民間の役割分担や連携のあり方、ケアの効果、ケアの質保証、さらにケアに携わる人材の育成など、効果的に医療・福祉の包括的なアウトリーチ支援が実施できる新たな体制を検討し、制度設計に関する提言を行うことを目的として実施した。本年度は、アウトカム評価のデザインの決定、ケアに関わるコスト算出モデルの検討、および詳細なデータを得るための入力様式の開発を目的とした。
研究方法
効果評価およびコスト算出方法の開発として、対象事例ごとに、各支援者による支援開始と終了、支援内容およびケア会議の記録書式を作成し、実務者からのフィードバックを得て修正した。さらに、2自治体3チームにおいて実際の支援事例およびチームの活動内容について、開発した書式を用いたデータ収集を試行した。また、次年度の多チーム調査に向けて入力およびデータ集計システムをインターネット上に構築した。分担研究では、アウトリーチチーム機能のモニタリングと研修ニーズ把握のための調査を行った。
結果と考察
試行2自治体3チームから10事例が抽出され、アウトリーチ支援の対象となった経緯、チームからの支援内容とケア量、ケア会議について情報が得られ、アウトリーチ推進事業の制度化の方向性を検討し、提言を行った。次年度は、将来的な制度設計を考える上で必要な調査項目を精選し、アウトリーチケアのニーズをより正確に把握する必要がある。
分担研究では、本事業における研修ニーズとして、ケアマネジメント、チームアプローチ、具体的な訪問支援のスキル、体系的な理論と知識が必要であることが明らかになった。本年度は、自治体やチームのニーズを把握することが中心であったが、次年度はニーズ調査の詳細な分析を行った上で、研修やサポートの実施体制整備を行っていくことが必要である。
結論
本年度開発した記録様式を使用した調査結果から、アウトリーチ支援の対象となった経緯、ケースに対する支援内容とケア量、ケア会議等に関する情報が得られた。分担研究からは、病棟でのケアとは異なる視点での、ケアマネジメントやチームアプローチなどに関する研修を行う必要性が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122114Z