文献情報
文献番号
201122109A
報告書区分
総括
研究課題名
末梢血のAGEsを含む代謝産物をバイオマーカーとする統合失調症の早期診断法の確立
課題番号
H23-精神・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
糸川 昌成(財団法人東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野)
研究分担者(所属機関)
- 岡崎祐士(東京都立松沢病院 精神神経科)
- 吉田寿美子((独)国立精神・神経医療研究センター病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,652,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、末梢血の終末糖化産物(AGEs;Advanced Glycation End-products)を含む代謝物
質の異常を客観的指標として、統合失調症の早期診断法を確立することである。
質の異常を客観的指標として、統合失調症の早期診断法を確立することである。
研究方法
統合失調症106例、対照80例の末梢血を用いて、GLO1/ホモシステイン/葉酸代謝関連物質の測定を行った。初年度骨折歴のある統合失調症患者8例について評価及び検査を実施した。活性型ビタミンB6(pyridoxamine:国内未承認薬)を用いた精神科で初めてとなる医師主導治験を開始した(臨床試験登録UMIN000006398 )。本研究は、東京都医学総合研究所および松沢病院倫理委員会の承認を得て行っている。
結果と考察
統合失調症において有意な葉酸の低下(P<0.05)、ホモシステイン (P<0.001)、およびビタミ
ンB6の低下(P<0.001)、Pentosidineの増加(P<0.001)を認め、アミノ酸分析では統合失調症で有意な
グルタミン酸の増加(P<0.01)、システインの増加(P<0.05)を認めた。期間内に目標の成果を得た
ので、24年度計画を前倒してGLO1の活性に影響する分子および、GLO1以外でAGEsを解毒するシステ
ムの解析に着手した。その結果、GLO1の補酵素である亜鉛の有意な低下(P<0.01)、グルタチオン
の低下(P<0.05)、GLO1外解毒系であるesRAGEの低下を認めた(P<0.01)。臨床症状との検討では、Pen
tosidine、ビタミンB6、esRAGEについて異常値の有無によってstageI?VIIIまでリスクの重みづけ
をした。その結果、健常者の77.5%はstageIにとどまり、stageVI以上のハイリスクから健常者は検
出されなかった。
ンB6の低下(P<0.001)、Pentosidineの増加(P<0.001)を認め、アミノ酸分析では統合失調症で有意な
グルタミン酸の増加(P<0.01)、システインの増加(P<0.05)を認めた。期間内に目標の成果を得た
ので、24年度計画を前倒してGLO1の活性に影響する分子および、GLO1以外でAGEsを解毒するシステ
ムの解析に着手した。その結果、GLO1の補酵素である亜鉛の有意な低下(P<0.01)、グルタチオン
の低下(P<0.05)、GLO1外解毒系であるesRAGEの低下を認めた(P<0.01)。臨床症状との検討では、Pen
tosidine、ビタミンB6、esRAGEについて異常値の有無によってstageI?VIIIまでリスクの重みづけ
をした。その結果、健常者の77.5%はstageIにとどまり、stageVI以上のハイリスクから健常者は検
出されなかった。
結論
AGEsは統合失調症のバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
-