文献情報
文献番号
201122085A
報告書区分
総括
研究課題名
自殺対策のための複合的介入法の開発に関する研究
課題番号
H22-精神・指定-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
山田 光彦(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神薬理研究部)
研究分担者(所属機関)
- 高橋 清久(財団法人 精神・神経科学振興財団)
- 稲垣 正俊(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
- 米本 直裕(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター)
- 大野 裕(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター)
- 鈴木 友理子(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
- 平安 良雄(横浜市立大学大学院医学研究科精神医学教室)
- 河西 千秋(横浜市立大学医学部精神医学教室)
- 大久保 善朗(日本医科大学精神医学教室)
- 岸本 年史(奈良県立医科大学精神医学教室)
- 酒井 明夫(岩手医科大学神経精神科学講座)
- 宮岡 等(北里大学医学部精神科学)
- 白川 治(近畿大学医学部精神神経科学教室)
- 岩熊 昭洋(国立病院機構水戸医療センター)
- 穐吉 條太郎(大分大学医学部附属病院)
- 堀川 直史(埼玉医科大学総合医療センター神経精神科)
- 杉本 達哉(関西医科大学附属滝井病院)
- 廣常 秀人(国立病院機構大阪医療センター精神神経科)
- 衞藤 暢明(福岡大学医学部精神医学教室)
- 岩田 仲生(藤田保健衛生大学医学部精神医学教室)
- 朝田 隆(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
- 岡島 由佳(昭和大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
44,865,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
2つの大型多施設共同研究,「複合的自殺対策プログラムの自殺企図予防効果に関する地域介入研究:NOCOMIT-J」,「自殺企図の再発防止に対する複合的ケース・マネジメントの効果:多施設共同による無作為化比較研究:ACTION-J」を通して,臨床研究を推進するための体制を整備し,さらに研究者ネットワークを形成することで,我が国において必要な自殺対策に関わる政策立案に資する成果を得る。
研究方法
本研究は,厚生労働省担当課及び地域自治体との連携のもと,国立精神・神経医療研究センターによる専門的支援を得て実施された。NOCOMIT-Jでは,地域自治体の協力の下,対象地域の介入プロセスデータ,人口動態統計及び救急搬送データを収集した。一方,ACTION-Jでは,救命救急センターに搬送された自殺未遂者を対象に試験介入を実施した。さらに,人口動態統計の二次利用による自殺死亡データ,精神科的状況及び社会的状況等の評価データを収集した。さらに,本研究に参加した多職種からなる研究スタッフを対象とした学術集会及び研究会議を定期的に開催し,研究者ネットワークの強化と質の向上を図った。
結果と考察
NOCOMIT-Jでは,人口規模212万人の地域のデータ収集を完了し,市町村合併による影響を調整しデータ固定を行った。研究班が開発した「複合的自殺対策プログラム」は,厚生労働省の自殺予防対策WEBで公開され,全国の自治体により事業計画立案やモニタリングに活用された。一方,ACTION-Jでは,平成23年6月末で介入を終了し,平成24年3月末までに自殺未遂者914名のデータ収集を完了した。ACTION-J研究班が実施した「自殺未遂患者への初期対応」の実施可能性が広く理解されるようになり,厚生労働省の研修事業によりその普及啓発が進められた。また,自殺予防対策WEBでその一部が紹介されるなど,全国の自治体(横浜市,相模原市,大分県,大阪府,奈良県,岩手県等)により事業やモニタリングに活用された。
結論
本研究により形成された研究者ネットワークを利用することで,NOCOMIT-J及びACTION-Jの成果として創出されるエビデンスと,本研究で開発された介入資材やノウハウ等を,国の自殺対策に利用することが可能であり,アウトカム研究の普及・啓発の促進に大きく寄与するものと考えられた。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
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