発達障害者に対する長期的な追跡調査を踏まえ、幼児期から成人期に至る診断等の指針を開発する研究

文献情報

文献番号
201122081A
報告書区分
総括
研究課題名
発達障害者に対する長期的な追跡調査を踏まえ、幼児期から成人期に至る診断等の指針を開発する研究
課題番号
H22-精神・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
内山 登紀夫(福島大学 人間発達文化学類)
研究分担者(所属機関)
  • 神尾 陽子(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部)
  • 杉山 登志郎(浜松医科大学 児童青年期精神医学講座)
  • 吉田 友子(ペック研究所)
  • 藤岡 宏(つばさ発達クリニック)
  • 深津 玲子(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 行廣 隆次(京都学園大学)
  • 吉川 徹(名古屋大 親と子どもの診療科)
  • 辻井 正次(中京大学 現代社会科学部)
  • 宇野 洋太(よこはま発達クリニック)
  • 黒田 美保(淑徳大学 総合福祉学部)
  • 安達 潤(北海道教育大学 旭川校)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
15,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
自閉症スペクトラム(以下、ASD)を中心に、幼児期早期から成人期を対象にした発達障害の診断・支援ガイドラインを作成する。
研究方法
ライフステージ別に、評価者の専門性に応じた妥当性・信頼性のある診断・評価ツールの開発を行う。さらに成人ASDの多次元的鑑別指標の同定に関する検討、早期支援方法の開発、ライフステージ別の支援介入効果についての実証的検討をする。児童・思春期ASDへの診断告知等の技法の検討を行う。医師がASDを診断・評価・支援できる技術を身につけるための医学心理学教育パッケージ開発及を行う。発達障害情報センターと発達障害者支援センターの効果的な情報共有と蓄積を行うためにWebを利用した方法を研究する。
結果と考察
1,国際的に定評のあるASDを対象にした診断・スクリーニング・評価ツールであるDISCO,ADOS, CARS2-HFなどの日本語版を作成し、評価者間信頼性、基準関連妥当性、弁別妥当性などの検討を行った。DISCO,ADOS日本語版は成人の鑑別診断に有用であることがわかった。
2,画像診断を用いた補助診断の方法を検討した。
3,診断閾下の人々も含めた自閉症的行動特性を定量化できる評価尺度SRSの日本語版を作成し分布を検討した結果、児童期SRS得点が連続的に分布することが示された。成人期SRS得点について妥当性サンプルのデータを用いてASDのカットオフポイントを決定した。
4,幼児期早期・児童期・思春期・成人期を対象にした支援プログラムの開発し効果検証を行い、複数の早期支援プログラム・思春期・青年期の支援プログラムが有効であることが示唆された。当事者が診断名を知った年齢は12歳が最も多いことや、本人が診断名を知らないのに福祉サービスを利用している青年期・成人期症例があることが明らかになった。きょうだいへの告知では発端者が知的障害を伴う場合よりも高機能例で時期が遅れることがわかった。
5,ASD診断の現状と、幼小児期に診断が下されず支援が遅れる要因を検討し、特に医師が診断説明にかける時間が短く、親が十分に障害特性について理解できない可能性が示唆された。
6,今治市で出生しASDと診断された子どもの8年間の対出生数比は2.54%と予想外に高かった。
7,専門家研修方法検討のために実習方式のセミナーを実施し、高評価を得た。
8,発達障害情報センターと発達障害者支援センター間での情報共有のニーズが高いこと、ハード面はすでに整備されていることがわかった。
結論
取りまとめ中

公開日・更新日

公開日
2012-11-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-03-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122081Z