文献情報
文献番号
201122074A
報告書区分
総括
研究課題名
抗精神病薬の多剤大量投与の安全で効果的な是正に関する臨床研究
課題番号
H22-精神・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 仲生(藤田保健衛生大学 医学部 精神神経科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 助川 鶴平(鳥取医療センター)
- 吉尾 隆(東邦大学薬学部医療薬学研究センター)
- 稲垣 中(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科)
- 吉村 玲児(産業医科大学 精神医学)
- 稲田 俊也(財団法人神経研究所)
- 山之内 芳雄(藤田保健衛生大学 医学部 精神神経科学講座 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
12,243,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、全国約50の医療機関に協力いただき①抗精神病薬の多剤大量投与の実態を明らかにするため抗精神病薬の投与実態を施設内で全数調査し、②減量プロトコールに基づいた臨床研究を行うことで、その安全で効果的な是正法を提案することである。
研究方法
本年度より実際の症例に対する臨床研究を始めた。山之内らの分担報告で、現在の臨床研究を行う病院側の負担や困難さについて、またその解決策について考察している。具体的には本年度に各協力施設に技術支援スタッフ(CRC)を配属し、当該施設の医師・薬剤師等と密な連携を取り、適切な症例をリクルートし登録を行うことで、臨床研究の進捗に関して担当病院への臨床研究管理体制を強化した。
またこれら登録症例に対するQOLのプレりみなりーな俯瞰を稲垣らが、抗精神病薬の処方実態の動向について吉尾が、生物学的指標としてのBDNFと薬物血中濃度の測定法の確立について吉村らが研究を行った。
またこれら登録症例に対するQOLのプレりみなりーな俯瞰を稲垣らが、抗精神病薬の処方実態の動向について吉尾が、生物学的指標としてのBDNFと薬物血中濃度の測定法の確立について吉村らが研究を行った。
結果と考察
臨床研究の患者登録が平成23年3月31日で終了し、全国55施設179名の患者が登録された。そのために、現在の我が国が抱える臨床研究に関する厳しい環境の中で、CRCを配置することで登録増加につなげ、一定の成果を上げた。
また、これら患者のQOLはそれほど低いものではなく、統合失調症の陽性症状や下痢によってQOLが低下するのではないか、という結果が得られた。臨床研究の患者に対して行う生物学的指標としてのBDNF(神経増殖因子)や薬物血中濃度の測定についてもoptimizeが完了し、実際の対象での測定を行う体制が整った。また、もう一つの本研究の目的である多剤大量処方の現状については、最新の調査で減量や単剤化が鈍化しているという結果が示された。
また、これら患者のQOLはそれほど低いものではなく、統合失調症の陽性症状や下痢によってQOLが低下するのではないか、という結果が得られた。臨床研究の患者に対して行う生物学的指標としてのBDNF(神経増殖因子)や薬物血中濃度の測定についてもoptimizeが完了し、実際の対象での測定を行う体制が整った。また、もう一つの本研究の目的である多剤大量処方の現状については、最新の調査で減量や単剤化が鈍化しているという結果が示された。
結論
今後、配置したCRCのきめ細かなフォローアップを礎に、登録された症例に対する臨床研究を正確かつ安全に実行し、本研究が問われている臨床疑問に応えていかなければならない。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
-