縦断的・包括的脊髄損傷の治療効果の評価およびそれに必要な医療資源に関する研究

文献情報

文献番号
201122056A
報告書区分
総括
研究課題名
縦断的・包括的脊髄損傷の治療効果の評価およびそれに必要な医療資源に関する研究
課題番号
H22-身体・知的・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 真介(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部運動機能外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 芝 啓一郎(労働者健康福祉機構 総合せき損センター)
  • 須田 浩太(労働者健康福祉機構 北海道中央労災病院)
  • 田島 文博(和歌山県立医科大学 リハビリテーション医学)
  • 吉永 勝訓(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
  • 福田  敬(国立保健医療科学院・研究情報支援研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,160,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、脊髄損傷者に対しての縦断的・包括的な治療がQOL維持および医療費節減効果をもたらす可能性を検証し、脊髄損傷者の治療・管理に必要な標準的な医療資源の質と量を明らかにすることである。
研究方法
本研究では、脊髄損傷者の医学的問題点毎に急性期から慢性期にかけて縦断的に研究し、麻痺の障害度(損傷脊髄高位および重症度)にわけ、合併症、QOL調査を行い、投入されている医療資源の有効性を検証する。そこから、現在の本邦において縦断的な脊髄損傷医療における必要な経費を算出し、包括的治療が合併症予防および医療経済にどのような効果をもたらしうるのかを推計する。
結果と考察
脊損医療経済の現状を前向き多施設共同研究での調査結果を紹介する。脊損専門 (S)、救急 (E)、リハ (R)施設の脊損患者94例を対象に任意の1ヶ月間の保険点数と看護必要度、麻痺の関連を調査した。看護必要度B得点(B)は四肢麻痺(T):8.65点、対麻痺(P):5.09点と有意差があり(p<0.001)、保険点数(H)は、T:93,661点、P:109,423点と差がなかった。施設別ではS:86,895点、E:296,860点、R:85,952点とEが有意に高かった(p<0.001)。受傷後期間とB、Hの関係は、≦1ヶ月:8.64点・154,639点、>1ヶ月:7.37点・84,627点とBは期間による差はない(p=0.189)が、Hは>1ヶ月で有意に低かった。(p<0.001)。受傷後1ヶ月以降では保険点数が有意に低下したが看護必要度は1ヶ月以降も引き続き高く、診療報酬とのアンバランスが明らかとなった。
結論
急性期脊髄損傷治療を適切に行うには脊髄損傷管理加算などの診療報酬面での支援が必要である

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122056Z