緑内障のmultiple rare variantsの発見と病態機序の解明による予防・治療法の開発

文献情報

文献番号
201122043A
報告書区分
総括
研究課題名
緑内障のmultiple rare variantsの発見と病態機序の解明による予防・治療法の開発
課題番号
H22-感覚・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 岳(独立行政法人国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター 分子細胞生物学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 溝田 淳(帝京大学医学部眼科 眼科学)
  • 木村 至(順天堂大学医学部 浦安病院眼科 眼科学)
  • 谷戸 正樹(島根大学医学部眼科 眼科学)
  • 渡辺 すみ子(東京大学医科学研究所 再生基礎医科学寄付研究部門 分子生物学)
  • 原 英彰(岐阜薬科大学薬効解析学研究室 神経科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
15,162,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
緑内障は視覚障害者の約25%を占める眼疾患であり、日本では失明率が最も高い眼疾患である。緑内障は複数の病態に分類されるが、何れも根本的な治療法は存在しない。緑内障は遺伝、習慣、環境など複数のリスク因子によって発症する多因子疾患と考えられるが、その多くは不明のままであり、早期診断を目的として世界中で緑内障に関与する遺伝子探索が行われてきた。本研究では日本人の緑内障小家系を対象とした緑内障 のmultiple rare variantsの探索を行い、オッズ比が高く、機能障害をもたらす遺伝子変異を発見し、その遺伝子と大多数の緑内障患者との関係を明らかにすることを目的とする。
研究方法
本研究では開放隅角緑内障の常染色体優性遺伝の6家系について、その原因遺伝子を探索する目的で、エクソン抽出および次世代シークエンサーによるエクソーム配列解析を行った。
結果と考察
家系1については配列をマッピングし、dbSNPデータベースの遺伝子多型を排除し、アミノ酸置換をともなうヘテロの遺伝子変異を検索してところ、3つの候補遺伝子に絞り込まれ、日本人健常者を500人解析して1つの遺伝子変異に絞り込まれた(平成24年日本眼科学会で発表)。その他の家系についても解析中である。
結論
新しいエクソン抽出法と次世代シークエンサーによって常染色体優性遺伝の開放隅角緑内障の家系について新規原因遺伝子を1つ発見した。平成24年度は機能解析などを予定している。また、残りの家系についても原因遺伝子が解明されることを期待している。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122043Z