免疫・アレルギー等研究に係わる企画及び評価に関する研究

文献情報

文献番号
199700953A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫・アレルギー等研究に係わる企画及び評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 洋(国立相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 宮本昭正(国立相模原病院)
  • 谷口克(千葉大学)
  • 寺尾允男(国立衛生試験所)
  • 横山健郎(国立佐倉病院)
  • 水戸廸郎(旭川医科大学)
  • 溝口秀昭(東京女子医科大学)
  • 藤村重文(東北大学加齢研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業(免疫・アレルギー等研究分野)
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成4~6年度の厚生省アレルギー総合研究事業による調査により我が国のアレルギー疾患有病率は各世代を通じて人口の約30%であることが明らかになっている。気管支喘息発作死亡率は過去20年間、人口10万対5~5.5人であったのが、最近特に青少年男子の死亡が増加しつつあることが明かとなり、問題となっている。リウマチ膠原病疾患においては日常動作の困難に起因する患者のQOLの著しい低下が明かである。我が国の臓器移植の分野では臨床面では現在生体肝移植と生体ならびに死体腎移植が行われているが、心肺移植においては脳死問題等の法的問題の整備を含め今後の進展が待たれるところである。一方、骨髄移植は1980年頃から症例数の増加、成績の向上がみられ、厚生省が中心となって骨髄バンクも設立され、今後益々骨髄移植は盛んに行われるものと思われる。このような状況下にあって、我が国の免疫・アレルギー、臓器・骨髄移植の研究分野において諸外国に負けない研究を実施するためには、適切な課題の設定、最適な研究者の選考、公正な研究費の配分、さらには厳密な研究成果の評価が必要不可欠であり、免疫・アレルギー研究の専門家からなる専門委員会でこれらを適切に実施していくことが必須である。
研究方法
免疫・アレルギー研究の専門家である主任研究者と分担研究者、及び行政関係者5名を委員とする専門委員会を組織し、1)研究者の選考及び研究費の配分額の決定、2)研究課題の設定、及び3)研究成果の評価を行った。専門委員会の下に第一線の研究者等からなる評価小委員会(学識経験者14名+行政関係者5名)を設け、第一次評価を行った。具体的なスケジュールは以下の通りである。
平成9年
7月  評価小委員会による研究計画書第一次評価
7月30日 第1回専門委員会(第二次評価、研究課題採択案の作成)
8月12日 厚生科学審議会研究企画部会
11月14日 主任研究者会議(免疫・アレルギー及び臓器・骨髄移植合同)
11月19日 第2回専門委員会(平成10年度新規公募課題等検討)
平成10年
2月 6日 骨髄移植部門:平成9年度研究業績報告会 於:慶応義塾大学病院
2月20日 臓器移植部門:平成9年度研究業績報告会 於:がん研究振興財団国際研究交流     会館
3月 4日 平成9年度業績評価会議 於:がん研究振興財団国際研究交流会館
3月 4日 第3回専門委員会(平成9年度中間・事後評価)
3月   評価小委員会による平成10年度研究計画書第一次評価
3月25日 第4回専門委員会(第二次評価、平成10年度研究課題採択案の作成)
結果と考察
免疫・アレルギーの専門家8名からなる主任研究者及び分担研究者及び行政側5名の計13名からなる専門委員会を設け、その下に第一線の研究者等からなる評価小委員会(学識経験者14名+行政関係者5名)を設け、第一次評価を行った。第1回専門委員会において平成9年度新規課題(免疫・アレルギー部門7課題、臓器移植部門4課題)及び奨励研究課題10題(免疫・アレルギー部門5題、臓器移植部門5題)の採択案が決定され、厚生科学審議会研究企画部会へ上程された。さらに第2回専門委員会においては平成10年度の新規公募課題の選定を行なった。平成9年度末には、平成9年度課題の業績評価会議を開催し、中間・事後評価を行い、第3回専門委員会において継続課題、打ち切り課題の決定がなされた。平成10年度新規課題については評価小委員会における第一次評価を経て、第4回専門委員会において免疫・アレルギー部門5課題の採択案が決定された。
結論
本研究班は平成9年度から開始された感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業の内、免疫・アレルギー等研究の課題採択及び中間・事後評価を実施したが、目的とした適切な課題の設定、最適な研究者の選考、公正な研究費の配分さらには厳密な研究成果の評価を行い、初年度として次年度のさらなる研究の発展へとつながる評価体制の基礎を築くことができた。今後とも免疫・アレルギー、臓器・骨髄移植研究分野において我が国の研究が国際的に高い評価を得るように研究体制の整備を図っていかねばならない。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)