急性期脳卒中への内科複合治療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201120060A
報告書区分
総括
研究課題名
急性期脳卒中への内科複合治療の確立に関する研究
課題番号
H23-循環器等(生習)・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
豊田 一則(独立行政法人国立循環器病研究センター 脳血管内科)
研究分担者(所属機関)
  • 苅尾 七臣(自治医科大学 循環器内科)
  • 中川原 譲二(中村記念病院 脳神経外科)
  • 古井 英介(広南病院 脳血管内科)
  • 塩川 芳昭(杏林大学 脳神経外科)
  • 長谷川 泰弘(聖マリアンナ医科大学 神経内科)
  • 奥田 聡(名古屋医療センター 神経内科)
  • 山上 宏(神戸市立医療センター中央市民病院 脳卒中センター)
  • 木村 和美(川崎医科大学 脳卒中医学)
  • 岡田 靖(九州医療センター 脳血管センター)
  • 長束 一行(国立循環器病研究センター 脳神経内科)
  • 古賀 政利(国立循環器病研究センター 脳卒中集中治療科)
  • 有廣 昇司(国立循環器病研究センター 脳卒中集中治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,240,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脳卒中超急性期?急性期の血栓止血学治療法と危険因子積極的管理の相乗作用を確かめ、これらの複合治療法を確立するためのエビデンスを構築すること。具体的に、脳梗塞への新規抗凝固療法やrt-PA静注療法、脳出血急性期の止血、降圧療法などを採り上げる。
研究方法
以下の研究を、いずれも多施設共同前向き研究(福次4のみ後ろ向き)として行う。主研究:非弁膜症性心房細動を有する急性期脳梗塞・一過性脳虚血発作患者における抗凝固療法の選択内容によって生じる、脳梗塞再発や副作用としての出血イベントを含めた急性期転帰、長期転帰の差異を、調べる。副次的研究1:一連の新規抗凝固薬の服用中に発症した重症出血合併症に対する、止血治療法の実施形態やその結果を、調べる。同2「急性期脳出血患者への抗凝固療法再開に関する多施設共同観察研究」、同3「超急性期脳出血への降圧療法に関する研究」、同4「rt-PA患者登録研究」:H20?22年度の厚労科学研究班から継続した課題として、患者登録、追跡調査を継続、完了する。
結果と考察
主研究、副次的研究1:参加施設の倫理委員会の承認を経て、患者登録を始めた。2011年以降わが国で相次いで承認された新規抗凝固薬の効果は限られた臨床試験で証明されたのみであり、臨床現場で諸問題は解決されていない。新規薬剤は概して海外とのドラッグラグなく、早期に承認されているため、海外での市販後データに頼ることなく、国内多施設で科学的、合理的に臨床情報を蓄積するのが、問題解決に肝要と考える。同2:ワルファリン服用患者が脳出血を発症した際の急速中和治療の施行の実態、および3か月後までの血栓塞栓症と出血事故が各々17%、10%に認めることを、53例のデータから示した。同3:ニカルジピン静注による収縮期血圧120?160 mmHgを目標とした脳出血超急性期の降圧治療の有効性を、211例の前向きデータから示した。同4:600例の急性期脳梗塞rt-PA患者のデータを用いた多数のサブ解析研究を英文発表した。
結論
心房細動を伴う脳梗塞・一過性脳虚血発作患者の抗凝固薬選択と治療成績に関する研究を中核とする5つの多施設共同研究を企画、遂行した。急性期脳卒中患者への抗血栓療法(血栓止血学治療法)と危険因子積極的管理を絡めた内科治療の確立に寄与すべく、次年度へ向けて研究を着実に進めてゆきたい。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120060Z