多様なニーズに対応するための新たな保健指導方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201120057A
報告書区分
総括
研究課題名
多様なニーズに対応するための新たな保健指導方法の開発に関する研究
課題番号
H23-循環器等(生習)・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 仁(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 木村 穣(関西医科大学健康科学センター・心疾患リハビリテーション)
  • 土井 徹(目白大学 看護学部)
  • 大木 幸子(杏林大学 保健学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
TV電話などを用いた保健指導(以後、遠隔保健指導)は、通常の対面での保健指導(以後、対面保健指導)と比較して劣っていないと言えるかどうかを検証する。
研究方法
特定健診における動機づけ支援対象者、およびそれよりも健康リスクが低いものまたは年齢が若いものを対象とし被験者を募った。
被験者はTV電話などの機器を用いた保健指導または、対面保健指導に無作為に割り振られ、積極的支援相当の180ポイント分-面接による指導に換算して、20分×3回程度の保健指導を3か月の間に受けた。
主要評価項目は、保健指導開始時から3ヶ月後の体重減少率であり、副次的評価項目は初回面接の時間、脱落率、保健指導の満足度などである。
本試験における非劣性マージンは2割、検定力は0.8とし、その設定から求めた必要サンプル数は、遠隔保健指導群、対面保健指導群合わせて約150人である。
結果と考察
 被験者数、平均年齢、初回面談時の平均体重などに統計的に有意な差はない(p>0.05)。
 主要評価項目である体重減少率は、遠隔群でも対面群でも、統計的に有意に減少している。体重の減少率において、遠隔保健指導の効果は対面保健指導と比較して、20%以上劣っているとは言えない(p<0.05)。
 副次的評価項目のうち初回面接時間については非劣性を主張することはできなかった。保健指導の脱落率については、Dunnett-Gentの検定により、遠隔保健指導は対面保健指導に対し、非劣性を主張できる結果となった。
満足度、円滑な会話では、対面保健指導に対する遠隔保健指導の非劣性を主張できなかったが、理解度、資料の見やすさについては非劣性を確認できた。
結論
 遠隔保健指導による体重の減少率は、対面保健指導の効果と比較して20%以上劣らないことが明らかになった。保健指導の脱落率、理解度、資料の見やすさについても非劣性を確認できた。
 保健指導実施者を対象としたアンケートでは、被験者から得られる情報量が少なくなるだけではなく、被験者へ与えられる情報量が減ることの問題が指摘された。
遠隔保健指導の適用には、対象者の理解度を確認する手順や工夫を追加することが必要になると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120057Z