職域における生活習慣病予防のためのハイリスク・ポピュレーションアプローチの連動に関する研究

文献情報

文献番号
201120044A
報告書区分
総括
研究課題名
職域における生活習慣病予防のためのハイリスク・ポピュレーションアプローチの連動に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・若手-021
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 潤(東京医療保健大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大塚 敏子(浜松医科大学 医学部)
  • 加藤 憲司(大阪大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では,ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチを効果的に連動させるために,ポピュレーションアプローチの実態を調査し,その認知状況やその効果の感じ方と行動変容段階との関連を検討する。また,ポピュレーションアプローチの認識や効果の感じ方に関連する因子を検討することで,今後ハイリスクアプローチとどのように連動させていくのが効果的であるかの示唆を得ることを目的とする。
研究方法
 本調査では,一般の就労者に対してWEBを用いて,現在実施されているポピュレーションアプローチの認識および希望するポピュレーションアプローチに関する内容を検討した。
結果と考察
 多くのポピュレーションアプローチにおいて,既に変える試みをしている者と比較して生活習慣を変える必要性を感じていない者において有意に認知率が低かった。
 効果があると考えるポピュレーションアプローチと行動変容段階との関連では,社内報等での特集のみが,生活習慣を変える必要性を感じていない者と比較して6ヶ月以内に変える予定の者,既に変える試みをしている者において有意に効果があると思う者の割合が高かった。
 ポピュレーションアプローチを認識していないことと関連する因子を検討した結果,年齢(OR=1.02),女性(OR=1.49),運動を月1回以上実施(OR=0.62),運動を週1回以上実施(OR=0.64),疾患がない(OR=1.52)において有意な関連がみられた。一方,ポピュレーションアプローチの効果がないと思うことと関連する因子を検討した結果,女性(OR=0.58),運動を月1回以上実施している者(OR=0.56),運動を週1回以上実施している者(OR=0.55),運動を毎日実施している者(OR=0.42)において有意な関連がみられた。
結論
 ポピュレーションアプローチの手段によらず認識状況は低く,特に無関心期の者では多くのポピュレーションアプローチにおいて認識していない者が多かった。よって,まずは無関心期の者にポピュレーションアプローチの認識をさせることが重要である。
逆に,既に運動習慣のある者では,ポピュレーションアプローチの認識が高く,その効果もあると感じていたことから,ポピュレーションアプローチをきっかけとした生活習慣改善の可能性は否定できない。
また,今回の結果から女性の目を惹くポピュレーションアプローチを実施することが大きな効果へと繋がる可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

文献情報

文献番号
201120044B
報告書区分
総合
研究課題名
職域における生活習慣病予防のためのハイリスク・ポピュレーションアプローチの連動に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・若手-021
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 潤(東京医療保健大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 大塚 敏子(浜松医科大学 医学部)
  • 加藤 憲司(大阪大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では,ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチを効果的に連動させるために,ポピュレーションアプローチの実態を調査し,その認知状況やその効果の感じ方と行動変容段階との関連を検討する。また,ポピュレーションアプローチの認識や効果の感じ方に関連する因子を検討することで,今後ハイリスクアプローチとどのように連動させていくのが効果的であるかの示唆を得ることを目的とする。
研究方法
 本調査では,一般の就労者に対してWEBを用いて,現在実施されているポピュレーションアプローチの認識および希望するポピュレーションアプローチに関する内容を検討した。
結果と考察
 実施が容易で認識率も高いポピュレーションアプローチであるパンフレットの配布やポスターの掲示といった内容は,対象者からは効果があるとは必ずしも思われていないことが明らかとなった。一方,認識率の低かった近隣スポーツジムとの提携や社員食堂でのヘルシーメニューの提供といった内容は,実施がポスター掲示等よりも困難ではあるものの,対象者からは効果があると思われていたことが明らかとなった。ポピュレーションアプローチの手段によらず認識状況は低く,特に無関心期の者では多くのポピュレーションアプローチにおいて認識していない者が多かった。よって,まずは無関心期の者にポピュレーションアプローチの認識をさせることが重要である。
逆に,既に運動習慣のある者では,ポピュレーションアプローチの認識が高く,その効果もあると感じていたことから,ポピュレーションアプローチをきっかけとした生活習慣改善の可能性は否定できない。
また,今回の結果から女性の目を惹くポピュレーションアプローチを実施することが大きな効果へと繋がる可能性が示唆された。
結論
 対象者に効果があると思われているポピュレーションアプローチほど認知率が低いことが明らかとなった。今後の研究ではこうしたポピュレーションアプローチの認知率を高めるための工夫を考慮していくことが必要かもしれない。さらに,行動変容の意思のない者や行動変容段階の低い者は,ポピュレーションアプローチへの関心そのものが低いことが明らかとなった。これらのことより,今後はこういった対象の興味を惹ける新たなポピュレーションアプローチについて考えていくことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201120044C

成果

専門的・学術的観点からの成果
 本研究では,日本の就労者におけるポピュレーションアプローチの認識に関する実態調査の資料を提示することができた。Webを用いた調査方法であったため,結果の一般化可能性は低いと考えられるが,1000人を超える対象からデータを得られたことで統計資料としての意義はあるのではないかと考えられる。
臨床的観点からの成果
 本研究は,現時点では認識に関する調査に留まっており,臨床的観点からの成果には乏しい。しかし,調査時に生活習慣病の現病歴についても尋ねているため,今後の検討で臨床的観点から何らかの成果を出すことはできるかもしれない。
ガイドライン等の開発
 本研究成果については,ガイドライン等の開発にまでは至っていない。
その他行政的観点からの成果
 実施が容易で認識率も高いポピュレーションアプローチは,対象者からは効果があるとは必ずしも思われていないため,今後は実施に困難を伴うポピュレーションアプローチに対する何らかの援助が必要である。
また,既に運動習慣のある者では,ポピュレーションアプローチの認識が高く,その効果もあると感じていたことから,ポピュレーションアプローチをきっかけとした生活習慣改善の可能性は否定できない。
また,今回の結果から女性の目を惹くポピュレーションアプローチを実施することが大きな効果へと繋がる可能性が示唆された。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
2017-05-25

収支報告書

文献番号
201120044Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,200,000円
(2)補助金確定額
2,200,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,894,611円
人件費・謝金 0円
旅費 79,660円
その他 26,060円
間接経費 200,857円
合計 2,201,188円

備考

備考
預金利息(286円)および自己負担(902円)による。

公開日・更新日

公開日
2017-09-05
更新日
-