日本人2型糖尿病患者における生活習慣介入の長期予後効果並びに死亡率とその危険因子に関する前向き研究(JDCS)

文献情報

文献番号
201120033A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人2型糖尿病患者における生活習慣介入の長期予後効果並びに死亡率とその危険因子に関する前向き研究(JDCS)
課題番号
H22-循環器等(生習)・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
曽根 博仁(筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 大橋 靖雄(東京大学 医学系研究科)
  • 山下 英俊(山形大学 医学部眼科)
  • 石橋 俊(自治医科大学 医学部内科)
  • 片山 茂裕(埼玉医科大学 内科)
  • 及川 眞一(日本医科大学 内科学第三)
  • 吉村 幸雄(四国大学 生活科学部)
  • 荒木 厚(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌科)
  • 山田 信博(筑波大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成26(2014)年度
研究費
12,180,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2型糖尿病とその合併症は、全世界において人々の健康と生活の質および医療費に大きな悪影響を与えている。世界の糖尿病人口の6割はアジア人であるが、特に東アジア人を主体とする大規模臨床研究は少なく、遺伝背景や生活習慣が欧米人とは大きく異なる日本人糖尿病患者の診療に、欧米の大規模臨床エビデンスが適用できるかは明らかでないため、日本人患者のエビデンスも強く求められている。本研究はこれを解決することを主目的としてきた。
研究方法
本研究は、欧米以外では世界初の糖尿病患者の大規模臨床研究として、東アジア人糖尿病患者に関する臨床エビデンスをこれまで数多く樹立してきた。現在主業務が、巨大データベースの維持・解析に移行しつつあり、同時に現場ニードの高い解析に絞り込んで効率化し、世界的な糖尿病分野のエビデンス形成に寄与するために、メタアナリシスの手法や人間ドックコホートを用いた併行解析も実施し、元コホートの結果をvalidationしつつ進めている。
結果と考察
糖尿病患者において生活習慣介入を主体とした介入が、糖尿病合併症そのものを抑制しうることを世界で初めて示し注目を集めた。さらにわが国の糖尿病合併症の現況についても多くの貴重なデータが継続的に、欧米の一流ジャーナルにアクセプトされ続けており、欧米一辺倒になりがちな世界の糖尿病診療学の分野において、東アジア人患者のエビデンスを世界に発信することができた。その結果は、これまで我々糖尿病専門医自身が共通認識としていた日本人患者の特徴と異なる部分も含み、さらに、専門施設においてしっかりしたコントロールがなされれば、合併症はかなり抑制しうるという、臨床現場や厚労行政の励みになるような結果も得られている。さらに現場ですぐに役立つ合併症リスクエンジンも開発済みで現在論文投稿中である。メタアナリシスなどについても海外一流誌に結果が続々とアクセプトされており、本コホートの解析結果と併せて、わが国の糖尿病臨床エビデンスを発信するのに貢献している。
結論
これまでのリスクファクターの解析に加えて、今後はさらに医療費抑制にも貢献できるようなデータを目指し、生活習慣改善の効果を抽出することを中心に検討が行われる予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120033Z