生活習慣病予防活動・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究

文献情報

文献番号
201120026A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病予防活動・疾病管理による健康指標に及ぼす影響と医療費適正化効果に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
津下 一代(愛知県健康づくり振興事業団 あいち健康の森健康科学総合センター)
研究分担者(所属機関)
  • 村本あき子(愛知県健康づくり振興事業団 あいち健康の森健康科学総合センター )
  • 山本 直樹(トヨタ自動車、安全健康推進部)
  • 玉腰 暁子(愛知医科大学、公衆衛生学教室)
  • 川渕 孝一(東京医科歯科大学大学院医療経済学)
  • 伊藤由希子(東京学芸大学人文社会科学系、経済学分野)
  • 中村 正和(大阪府立健康科学センター)
  • 小池 城司(福岡市健康づくりセンター)
  • 沼田 健之(岡山県南部健康づくりセンター)
  • 小谷 和彦(自治医科大学・臨床検査医学・公衆衛生学)
  • 織田 順(東京医科大学 救急医学)
  • 宮地 元彦(国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
12,667,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
メタボリックシンドローム(MetS)に対する保健指導が、健康指標に及ぼす効果ならびに医療費への影響を検証する。また、対象者セグメントを考慮した効果的・効率的な保健指導方法の条件を抽出すること、生活習慣病対策に資する医療費分析の方法を検討すること、医療保険者全体の健診・レセプト情報等から健康課題を明示する方法を検討すること、運動関連の事故を調査し安全な保健指導(運動)について考察することを目的とする。
研究方法
保健指導事業評価データベースを作成、8府県の40歳以上65歳未満の252,050人を登録、うち積極的支援レベル39,267人、動機付け支援レベル21,410人について、保健指導の有無別に1年、2年後の健診データ、服薬状況等を追跡した。評価指標はMetS改善率(悪化率)、階層化判定改善率(悪化率)、体重減少率、血圧・糖・脂質代謝の変化、受診勧奨判定値者数・率の変化、服薬率である。医療費分析については、予防・外来・入院費用を含む医療費の構造をAdjusted Clinical Group System(ACG)により分析した。また、約3年間のレセプト情報について生活習慣病受診、薬剤処方を抽出、全体の平均医療費・薬剤費を基準として、肥満と体重変化別に医療費へのインパクトを求めた。運動リスク調査として、保健指導時の心血管事故、運動器障害について調査を行った。
結果と考察
1)積極的支援実施群では MetSが有意に減少、検査値変化率は対照群との間に有意差を認めた。体重減少率に依存して改善効果を認めた。積極的支援によりアディポネクチンは6か月以降で増加、Angptl2は3か月後から低下した。2年後の服薬率は積極的支援実施者で有意に少なく検査データも良好であった。喫煙、保健指導前のリスク種別により保健指導効果に差がみられた。
2)医療費分析では、内臓脂肪型肥満者において体重1%の減量は外来生活習慣病医療費を約7%、薬剤費を10%程度低下に寄与した。「内臓脂肪型肥満・服薬なし」者においては、体重1%の減量が約5%の外来医療費、薬剤費の低下に寄与した。
3)運動リスク調査:保健指導期間中の傷害発生は2.2%で、整形外科的傷害がほとんどであった。運動関連心血管事故事例をふまえてマニュアルを作成した。
結論
2年後までの追跡では健診データの改善、服薬率の減少などが観察された。体重減量による医療費低減傾向がみられた。

公開日・更新日

公開日
2015-10-08
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120026Z