保健指導におけるアウトソーシング先の質の向上を図るための第三者評価の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201120025A
報告書区分
総括
研究課題名
保健指導におけるアウトソーシング先の質の向上を図るための第三者評価の在り方に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院)
  • 鳩野 洋子(九州大学大学院 医学研究院)
  • 梶木 繁之(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 永田 昌子(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
委託を受け保健指導サービスを提供する機関において保健指導の質の向上の取組みが広く推進されるためには、第三者評価制度の導入が必要である。医療保健分野に限定しても、評価対象や評価の目的などによって様々な第三者評価制度があるが、対象となるサービスの特徴に合った制度でなければ定着しない。そのため制度の検討においては、現状を十分に分析した上で設計が行われる必要がある。
研究方法
2年間の研究期間の最終年度として、3つの分担研究を実施した。a)第三者評価を実施する際の基となる「規格:要求事項」を、『「保健指導の質の管理」の基本的な考え方』ならびに『保健指導サービス品質管理システムガイドライン』を参考に作成して、3つの機関においてモデル事業を実施するとともに、第三者評価員のための研修プログラムを開発して研究班のメンバーに対し研修を実施し、その有効性を評価した。b)制度開始後3年を経過した時点における第三者評価制度に対するニーズ等を各医療保険者を取りまとめる団体等にインタビュー調査した。c)特定保健指導の第三者評価制度について、特定保健指導を直営で実施している自治体への応用の可能性を検討するために、県の国民健康保険団体連合会職員および国民健康保険中央会職員へのグループインタビューおよび2自治体における第三者評価の試行を行った
結果と考察
a)第三者評価のモデル事業の結果をもとに第三者評価マニュアルを完成させた。b)医療保険者は現時点では提供できる体制づくり又は保健指導の受診率向上に主眼が置かれている状況であるが、成果が上がる保健指導サービスを提供する機関を選択するために、客観的な評価として第三者評価制度に対する期待が示された。c)自治体においては認証を目的とした客観性のある第三者評価ではなく、支援的な第三者評価であれば受け入れられ、必要性も高いが、実施のためには評価者の育成も含めた体制整備の必要性が考えられた。
結論
今後、本成果が活かされ、保健指導サービスの質の向上につながるような第三者評価制度の導入が望まれる。また、直営で特定保健指導を実施している自治体に対しても、支援的な第三者評価の実施を前提として、国が保健指導サービスについて「質の管理に関する指針」を示し、国立保健医療科学院や保健所などの既存の組織を活用することによって、応用可能であると考えらえた。

公開日・更新日

公開日
2015-10-08
更新日
-

文献情報

文献番号
201120025B
報告書区分
総合
研究課題名
保健指導におけるアウトソーシング先の質の向上を図るための第三者評価の在り方に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院)
  • 鳩野 洋子(九州大学大学院 医学研究院)
  • 梶木 繁之(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 永田 昌子(産業医科大学 産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
委託を受け保健指導サービスを提供する機関において、保健指導の質の向上の取組みが幅広く推進されるためには、第三者評価制度の導入が必要である。医療保健分野に限定しても、評価対象や評価の目的などによって様々な第三者評価制度があるが、対象となるサービスの特徴にあった制度でなければ定着しない。そのため制度の検討においては、現状を十分に分析した上で設計が行われる必要がある。
研究方法
4つの分担研究を行った。a)保健指導サービス機関の質の管理の実態を明らかにするための自記式郵送質問紙調査を実施した。b)医療保健分野で現在運用されている様々な第三者評価制度について情報収集及び整理を行った。その上で、第三者評価のための「規格:要求事項」を作成するとともに、評価員研修プログラムを開発し、その有効性を評価した上で、3つの機関において第三者評価のモデル事業を実施した。c)第三者評価制度に対するニーズを、各医療保険者を取りまとめる団体等にインタビュー調査した。d)品質管理システムの導入が図られた自治体職員に対するインタビュー調査、県の国民健康保険団体連合会職員および国民健康保険中央会職員へのグループインタビューおよび2自治体における第三者評価の施行を行った。
結果と考察
a)サービス機関の30%以上が実施していることを一つの基準として、項目を要求事項として盛り込むこと妥当であるとした。b)「保健指導における第三者評価マニュアル」を作成した。c)現時点では、保健指導サービス機関の質を評価し、選定を行う第二者評価が十分に機能しているとはいえない状況と考えられ、より客観的な評価として第三者評価制度に対する期待が示された。d)自治体においては認証を目的とした客観性のある第三者評価ではなく、支援的な第三者評価であれば受け入れられ、必要性も高いことが明らかになった。
結論
研修プログラム等を含む第三者評価マニュアルが完成した。また、医療保険者等に対する調査によって第三者評価制度のニーズが存在することが明らかになった。直営で特定保健指導を実施している自治体に対しても、支援的な第三者評価の実施を前提として、国が「質の管理に関する指針」を出すなどの条件が整えば応用可能であると考えらえた。

公開日・更新日

公開日
2015-10-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201120025C

成果

専門的・学術的観点からの成果
第三者評価が、保健指導サービス組織の質の改善の取組みにおいて、推進要因になることがモデル事業によって確認された。
臨床的観点からの成果
第三者評価に必要な制度案、基準案、評価に必要なツールなどが準備できており、ホームページで公表されたことより、制度自体の構築に先立ち、自主的な取組みを促すことが可能となっている。
ガイドライン等の開発
現時点では、ガイドライン等の開発に結び付いていない。
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
第三者評価を受けた組織が、その結果に基づく改善の取組みを日本産業衛生学会の良好実践事例として報告されている。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
2件
保健師ジャーナル、保健指導サービスの評価と改善(書籍)
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
日本産業衛生学会・日本公衆衛生学会
学会発表(国際学会等)
1件
国際労働衛生会議
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-10-08
更新日
2017-05-25

収支報告書

文献番号
201120025Z