口腔保健とQOLの向上に関する総合的研究

文献情報

文献番号
201120022A
報告書区分
総括
研究課題名
口腔保健とQOLの向上に関する総合的研究
課題番号
H22-循環器等(歯)・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小坂 健(東北大学大学院 歯学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 海老原 覚(東北大学病院)
  • 渡邉 誠(東北福祉大学)
  • 三浦 宏子(国立保健医療科学院)
  • 内藤 徹(福岡歯科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
口腔の状況が全身疾患等の人のQOLに与える影響などについて、システマティックレビューに基づき、基礎的な実験室レベルの研究から大規模コホートの調査に至るまで多面的なアプローチで研究することを目的とした。
研究方法
本研究は、口腔の状況が全身疾患等の人のQOLに与える影響などについて、システマティックレビューに基づき、基礎的な実験室レベルの研究から大規模コホートの調査に至るまで多面的なアプローチで研究を実施した。
・現在歯数だけでなく咬合支持数を併せて評価し,口腔関連QOLとの関連を検討した。
・地域在住の健常高齢者を対象とした横断研究により、音声・構音機能の基準値を提示するとともに、音声・構音機能とQOLとの関連性について調べた。
・クエン酸による咳反射と不快な呼吸感覚である咳衝動(咳のしたさ)を測定することにより、咳反射、咳衝動における加齢の影響を検討した。
・J-AGESでのコホート調査のデータを利用し、口腔のQOLに関係する補綴物の使用状況とSESの関連について解析した。
結果と考察
口腔と全身の疾病やQOLの向上について、アナリティックフレームワーク(AF)を作成し、システマティックレビューによる国内外の知見の収集発信を実施した。口腔関連QOLについて、現在歯数と咬合支持数とを併せて評価した結果,咬合支持数が減少した場合,現在歯数の多い群の方が,逆に口腔関連QOL低下のリスクが上昇すること,高齢者ほどそのリスクが高いことが明らかになった.地域在住の健常高齢者を対象とした横断研究により、音声・構音機能の基準値を提示するとともに、音声・構音機能とQOLとの関連性について調べた。このような音声認識音声解析により、様々な分野に応用が期待される。高齢者は若年者と比べて、クエン酸による咳反射閾値は低下しないが、咳衝動は若年者に比べて高齢者において有意に低下しており、クエン酸刺激による、誤嚥性肺炎リスクのスクリーニングが可能になることと、更に、咳衝動との関係が明らかになってきた。社会状況とQOLの関係を調べるため、地域在住高齢者のデータを解析し、社会経済状況とQOLに影響を及ぼす補綴物の使用との関連が見られた。
結論
口腔と全身疾患との関連及びそのQOLに与える因子などについての知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120022Z