高齢がん患者における高齢者総合的機能評価の確立とその応用に関する研究

文献情報

文献番号
201119082A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢がん患者における高齢者総合的機能評価の確立とその応用に関する研究
課題番号
H23-がん臨床・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
長島 文夫(杏林大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 東 尚弘(東京大学医学系研究科)
  • 小川 朝生(独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センター)
  • 濱口 哲弥(独立行政法人国立がん研究センター中央病院)
  • 明智 龍男(公立大学法人名古屋市立大学大学院)
  • 須藤 紀子(杏林大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment; 以下CGA)は、高齢者の生活機能障害を総合的に評価する手法である。本研究は、日本人用の高齢者評価の計測尺度を開発・検証し、がん薬物療法や緩和医療などへの応用を検討していくことを目的とした。
研究方法
CGAをがん診療に特化させたCancer-Specific Geriatric Assessment (CSGA)日本語版などのツールを作成し、臨床研究の計画書を作成、患者登録を行い、評価を行う。併せて、認知症虚弱高齢患者の検討、高齢者医療の質評価も行う。
結果と考察
(1)CSGA日本語版を作成した。入力システムの開発のため、電子端末デバイスの開発に着手した。(2)JCOG大腸がんグループで実施する多施設臨床試験においてCSGAなどの附随研究の実施計画書を作成した。(3)固形癌患者において、CGAの実施可能性および経時的な評価のための研究計画書を作成し、患者登録を開始した。(4)悪性リンパ腫または多発性骨髄腫と診断された65歳以上の患者に対し、機能評価を行った。38名の検討では合併症 (46%)、日常生活活動度低下 (24%)、うつ病 (24%)、認知機能障害(11%)などの問題が指摘された。(5)認知症虚弱高齢患者でがんを合併した場合の治療指針はなく、現状を把握するための調査を行った。(6)高齢者医療の質評価を検討するために、米国の高齢者におけるQuality Indicator(以下、QIと略す)研究であるAssessing Care of Vulnerable Eldersにおいて作成されたQIのうち、患者への質問紙や面接による直接聴取で情報収集が可能なQIを同定することを試みた。全患者を対象とするQIのうち16項目、個別状況を考慮するQIのうち5項目が直接聴取可能なQIとして抽出された。
結論
日本人の高齢がん患者において、高齢者総合的機能評価を確立し、今後の応用を検討していく。今回、認知症虚弱高齢患者のがん診療の問題点も指摘されたので、がん患者の診療の質を評価して満足度の向上を目指すことを併せて進めていく。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119082Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,100,000円
(2)補助金確定額
9,100,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,999,569円
人件費・謝金 1,963,507円
旅費 122,520円
その他 2,914,404円
間接経費 2,100,000円
合計 9,100,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-