頭頸部腫瘍に対する強度変調放射線治療の確立と標準化のための臨床研究

文献情報

文献番号
201119075A
報告書区分
総括
研究課題名
頭頸部腫瘍に対する強度変調放射線治療の確立と標準化のための臨床研究
課題番号
H23-がん臨床・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
西村 恭昌(近畿大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 柴田 徹(香川大学 医学部)
  • 田村 昌也(近畿大学 医学部)
  • 岡本 勇(近畿大学 医学部)
  • 石倉 聡(名古屋市立大学大学院 医学研究科 )
  • 峯村 俊行(国立がん研究センター 医学物理学)
  • 板坂 聡(京都大学大学院 医学研究科)
  • 幡野 和男(千葉県がんセンター 放射線治療部)
  • 古平 毅(愛知県がんセンター中央病院 放射線治療部)
  • 小口 正彦(がん研究会有明病院 放射線治療科)
  • 中田 健生(札幌医科大学 医学部)
  • 伊藤 芳紀(国立がん研究センター中央病院  放射線治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
12,295,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
強度変調放射線治療(IMRT)は、最新の高精度照射法の一つであり、晩期障害を低減して局所制御を高めることが期待されている。しかしながら、わが国ではIMRTの線量評価法、線量分割法、治療計画法など各施設が独自の方法で行い、標準的なIMRT照射法は確立しておらず、その有効性と安全性を明らかにした多施設臨床試験もわが国ではまだなされていない。本研究では、個別化が重要で標準化が困難な頭頸部腫瘍を対象にIMRTの有効性と安全性を評価することを目的とする。
研究方法
「上咽頭癌に対するIMRTの多施設共同第II相臨床試験(JCOG1015)」では、臨床病期II?IVB期(UICC第7版)の上咽頭癌患者に対してIMRTを化学放射線療法として用いることの有効性と安全性を、多施設共同臨床試験において評価する。放射線治療は、two-step法 IMRTで合計70Gy/35回/7週間照射し、同時化学療法はCDDP 80mg/m2, day1を3週ごとに3コース、その後補助化学療法 (5FU 700mg/m2, day1-5, CDDP 70mg/m2, day1)を4週ごとに3コース行う。
 本臨床試験における品質管理・品質保証として、参加施設に放射線治療計画の線量分布計算精度の第三者評価を義務づけ、複数の模擬症例を用いてIMRT治療計画の事前練習(ドライラン)を実施することとした。また、remote review toolを用いて、研究事務局で全例の治療計画と線量分布を確認することが可能である。来年度以降はJCOG1015の症例登録を継続するとともに、頸部食道癌および早期中咽頭癌に対するIMRTプロトコールを完成させ、3つの臨床試験を行う。
結果と考察
平成23年5月からJCOG1015の症例登録を開始し、これまでに14例の症例が登録された。IMRTの品質保証のための訪問調査の結果、全11施設において計画標的体積内の測定点での線量測定値に対する線量計算の相違は±3% 以内で許容範囲であった。また、ドライラン2症例に対するプロトコールに従った治療計画も確認できた。また、研究事務局で登録症例の治療計画と線量分布を確認することが可能で、全例プロトコールに合致した治療が実施されていることを確認できている。
結論
JCOG1015にはこれまで14例の症例が登録された。放射線治療の品質保障も確認できている。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119075Z