ポリープ切除の大腸がん予防に及ぼす効果の評価と内視鏡検査間隔の適正化に関する前向き臨床試験

文献情報

文献番号
201119074A
報告書区分
総括
研究課題名
ポリープ切除の大腸がん予防に及ぼす効果の評価と内視鏡検査間隔の適正化に関する前向き臨床試験
課題番号
H23-がん臨床・一般-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
松田 尚久(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院 消化管内視鏡科)
研究分担者(所属機関)
  • 尾田 恭(尾田胃腸内科・内科・)
  • 金子 和弘(独立行政法人 国立がん研究センター 東病院)
  • 工藤 進英(昭和大学横浜市北部病院 消化器センター)
  • 佐野 寧(佐野病院 消化器センター)
  • 谷口 浩和(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院)
  • 藤井 隆広(藤井隆広クリニック)
  • 堀田 欣一(静岡がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,656,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は,わが国の平均的リスク群に対して前向き介入試験を行うことで,内視鏡的ポリープ摘除後(クリーンコロン)における適正な大腸内視鏡検査間隔を求めるとともに,欧米とは異なる日本独自の検査体制の要否,ポリープ摘除が大腸がん罹患率減少に及ぼす効果の有無とその程度を明らかにすることを目的にプロトコールを作成し,各研究施設(11施設)の倫理審査委員会の承認を得て平成14年2月より登録を開始した.
研究方法
対象:40歳~69歳の健常者,方法:全ての腫瘍性ポリープを摘除した対象者に対する全大腸内視鏡(TCS)の至適検査間隔期間について,1年と3年後に行う2回検査群と3年後のみに行う1回検査群とのランダム化比較試験によって評価する.Primary endpoint:クリーンコロン後のIndex lesion(10 mm以上の上皮性腫瘍・高度異型腺腫・がん腫)の発生割合.Secondary endpoint:クリーンコロン後の全大腸腫瘍,陥凹型腫瘍,有害事象の発生割合.尚,3年後のランダム化比較試験評価後は,浸潤がんの発生頻度,予後に関する長期経過観察から探索的検討を行う.
結果と考察
3,926名の登録と2,757名の割り付け作業が完了し,2回のクリーンコロン化とその後のフォローアップTCSおよび病理中央判定が進行中である.割り付け状況は,2回検査群(1.3年後検査群):1,087名,1回検査群(3年後検査群):1,079名,腫瘍性ポリープ(-)群:591名である.尚,平成23年11月末現在,3年後の最終TCS完了者数は,2回検査群:739名,1回検査群:802名,腫瘍性ポリープ(-)群:416名の合計1,957名であり,2,000名近い参加者が順調に本試験を完遂している.
結論
本試験に伴う重篤な偶発症および大きな問題は生じておらず,メインの結果(内視鏡的ポリープ摘除後の適正な検査間隔)が得られる平成24年末まで,参加者の脱落をいかに最小限に抑えられるかが最大の課題である.また,クリーンコロン化1年後に発見されたIndex lesion(IL)の臨床病理学的特徴,1次・2次TCSにおける発見腫瘍性病変の関係についてのデータ集計および解析を開始した.

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119074Z