治療の初期段階から身体・精神症状緩和導入を推進するための研究

文献情報

文献番号
201119066A
報告書区分
総括
研究課題名
治療の初期段階から身体・精神症状緩和導入を推進するための研究
課題番号
H22-がん臨床・若手-033
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
清水 研(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科)
研究分担者(所属機関)
  • 内富庸介(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科精神神経病態学教室)
  • 明智龍男(名古屋市立大学大学院 医学研究科 精神腫瘍科)
  • 吉内一浩(東京大学医学部附属病院 心療内科)
  • 松本禎久(独立行政法人 国立がん研究センター 東病院 緩和医療科)
  • 森田達也(聖隷三方原病院 緩和医学)
  • 小川朝生(独立行政法人 国立がん研究センター 東病院 臨床開発センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,246,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体・精神症状それぞれをターゲットとした、わが国のがん診療拠点病院の事情に即した包括的プログラムの開発を行い、将来の臨床応用につながる成果を得ることを目的とする。
研究方法
1) つらさと支障の寒暖計の妥当性の検証
適格患者を連続サンプリングし、「つらさと支障の寒暖計(DIT)」を施行たうえでうつ病の診断面接を行い、DITのうつ病に対するスクリーニング能力を検討する。

2) つらさと支障の寒暖計の継時変化の検証
外来化学療法を受ける患者を対象に、初回化学療法実施時と、2週間後にDITの測定を行う。

3) 精神症状緩和の促進・阻害要因の検討
患者20名を対象に、質的インタビューを行う。内容分析にて促進・阻害要因を明らかにする。

4)抑うつの重症度評価尺度としてのコンピューター適応型質問票の開発
項目反応理論を用いて、困度度および識別度のパラメータを算出し、項目の選定および、CATのための項目プールを作成する。

5) 早期身体症状緩和導入のための介入モデル開発
看護師が一定のチェックリストに基づいて評価を行い、緩和ケアチームの必要と考えられる職種が関わる包括的な介入を開始する。臨床試験を行い、実施可能性と予備的有用性を検証する。
結果と考察
1)つらさと支障の寒暖計の妥当性の検討について、114例の集積を終了した。2)初回寒暖計高値の109名のうち51名 (46.8%)が2週間後に改善を認め、介入を行わなくても自然経過で苦痛が消失する患者も多いことが明らかになった。 3) 精神症状緩和の促進・阻害要因の検討に関しては、患者20名を対象に質的インタビューを行った。4)コンピューター適応型質問票の開発について、目標300例のうち114例の集積を終了した。5) 身体症状緩和に関して、研究のプロトコールを作成した。
結論
1) つらさと支障の寒暖計の妥当性の検証
症例集積中であり、計画を継続する。

2) つらさと支障の寒暖計の継時的変化の検証
 つらさと支障の寒暖計のカットオフポイントを確立し、介入が必要な患者を抽出するための方策の必要性が示唆された。

3) 精神症状緩和の促進・阻害要因の検討
 促進・阻害要因が明らかになった。

4)抑うつの重症度評価尺度としてのコンピューター適応型質問票の開発
症例集積中であり、計画を継続する。

5) 早期身体症状緩和導入のための介入モデル開発
本年度より症例の集積を開始し、予備的な有用性を明らかにする。

公開日・更新日

公開日
2015-05-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119066Z