東北地方のがんネットワークによるがん診療連携拠点病院の化学療法の均てん化事業

文献情報

文献番号
201119057A
報告書区分
総括
研究課題名
東北地方のがんネットワークによるがん診療連携拠点病院の化学療法の均てん化事業
課題番号
H22-がん臨床・一般-034
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
石岡 千加史(東北大学 加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 俊介(東北大学 加齢医学研究所 )
  • 吉岡 孝志(山形大学 医学部)
  • 柴田 浩行(秋田大学 医学部)
  • 西條 康夫(新潟大学 医学部)
  • 蒲生真紀夫(大崎市民病院 腫瘍センター)
  • 伊藤 薫樹(岩手医科大学 医学部)
  • 石田 卓(福島県立医科大学 附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、多角的な方法で東北地方のがん診療連携拠点病院(以下、がん拠点病院)の化学療法の均てん化を推進することである。
研究方法
東北地方のがん診療連携拠点病院の化学療法の均てん化を推進する目的を達成するために、東北がんネットワーク化学療法専門委員会が中心になり、1)がん化学療法プロトコル統一事業、2)臨床試験推進事業、3)医療従事者、市民や患者会への啓発活動、4)化学療法に関するアンケート調査および5)個別化治療推進事業を実施する。
結果と考察
1)がん化学療法プロトコル統一事業により共通化学療法プロトコル審査委員会を設置し、5大がんの標準化を推進した。2)臨床試験推進事業により薬剤師や看護師を対象のがん薬物療法セミナー開催やメーリングリストを活用し地域がん拠点病院のがん薬物療法専門医や他のがん専門医療者を啓発した。また、臨床試験推進のためのTumor Boardを組織し臨床試験参加を推進した。3)医療従事者、市民や患者会への啓発活動により、市民公開講座を実施した。個別化がん医療に対応する遺伝子解析体制を整備した。また、がん薬物療法の均てん化や専門性の向上を図るため、本研究班のメンバーと他の研究者が共同して専門書を出版した。個別化治療推進事業により、がん薬物療法におけるバイオマーカーの重要性が医療従事者の間に広まった。また、基盤となる組織である東北がんネットワークの連携はこの震災により強化されつつある。今後、地方の活動の枠組みを高めて、東北地方のがん医療水準の均てん化に貢献できるものと期待している。
結論
東北地方におけるがん薬物療法の水準を向上するためには、化学療法レジメンの共有化やレジメン審査の体制支援が効果的である。また、がん薬物療法の臨床試験を推進するための医療従事者の教育、情報提供や市民と患者への啓発活動が必要である。さらに、東日本大震災により東北地方の太平洋沿岸部を中心に地域医療が崩壊したため、東北地方の広域活動を特徴とする本事業により、がん薬物療法に関するネットワークを通じた支援の必要性が更に高まった。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119057Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,500,000円
(2)補助金確定額
9,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,812,965円
人件費・謝金 2,674,383円
旅費 239,400円
その他 1,773,252円
間接経費 0円
合計 9,500,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-09-05
更新日
-