がん診療連携拠点病院の機能のあり方及び全国レベルのネットワークの開発に関する研究

文献情報

文献番号
201119056A
報告書区分
総括
研究課題名
がん診療連携拠点病院の機能のあり方及び全国レベルのネットワークの開発に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-033
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 雅志(独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん医療支援研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 南 博信(神戸大学大学院医学研究科 内科学講座)
  • 田村 研治(国立がん研究センター中央病院 乳腺科・腫瘍内科)
  • 谷水 正人(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 統括診療部・臨床研究センター)
  • 木澤 義之(筑波大学医学医療系)
  • 的場 元弘(国立がん研究センター中央病院 緩和医療科・精神腫瘍科)
  • 片井 均(国立がん研究センター中央病院 消化管腫瘍科)
  • 平井 啓(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター)
  • 的場 匡亮(昭和大学大学院 保健医療学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん拠点病院制度は、がん医療の均てん化の推進を目的とし、全国で指定が進められてきた。しかし、拠点病院に対する期待は、市民、医療機関、行政等、立場により異なり、その機能が十分に整理されずに現在に至っている。本研究では、データを元に、わが国に求められる拠点病院制度のあり方について明らかにするとともに、拠点病院の支援体制について検討を行う。
研究方法
がん診療連携拠点病院の現況報告書、DPCデータ集計等を分析し、診療実績や施設状況のデータベースの作成を行ない、全国のがん診療の実施状況を明らかにする。
また、全国のがん診療連携拠点病院の医療従事者等に対する、がん拠点病院に関する課題とその解決策についての自由記述式のアンケートで得られた回答について、内容分析により解析を行う。
結果と考察
全国のがん診療連携拠点病院(377施設)に対して、がん診療連携拠点病院に関する課題とその解決策について、自由記述式のアンケートを実施した。149施設から回答があり、合計169人からの回答を得た。得られた回答は、内容分析により解析を行ない、意味内容の類似性・相違性からカテゴリーを作成した。
課題、解決策の自由記述より、それぞれ、385、344の意味単位を同定した。課題に関する小カテゴリーは、55に分類され、解決策に関する小カテゴリーは43に分類された。課題、解決策について共通する大カテゴリーは、18に分類された。
課題に関して多くみられた意見は、がん拠点病院制度に関しては、「全国一律の拠点病院制度が地域の状況に即さない場合があること」「がん拠点病院の配置状況について、地域による差があること」などの地域の特性を考慮したものであった。また、人材の確保に関する意見も多くあり、現場でのマンパワー不足感を反映した意見だと考えられた。地域連携に関しては、現場では、地域連携において目指すべき方向性が未だ具体的にイメージできていないことがうかがえ、地域のがん医療においてがん診療連携拠点病院が果たすべき役割についての整理が求められていることが明らかになった。
結論
がん診療連携拠点病院の現状として、施設や地域により、がん医療の実施状況や医療従事者の配置状況は大きく異なることや、がん種により、地域の中での医療機関の役割は大きく異なることが明らかになるとともに、がん診療連携拠点病院制度に関する課題も明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119056Z