限局型小細胞肺がんに対する新たな標準的治療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201119048A
報告書区分
総括
研究課題名
限局型小細胞肺がんに対する新たな標準的治療の確立に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-025
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田村 友秀(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院 呼吸器腫瘍科)
研究分担者(所属機関)
  • 大江 裕一郎(独立行政法人 国立がん研究センター東病院)
  • 森 清志(栃木県立がんセンター)
  • 岡本 浩明(横浜市立市民病院)
  • 横山 晶(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 樋田 豊明(愛知県がんセンター中央病院)
  • 里内 美弥子(兵庫県立がんセンター)
  • 今村 文生(大阪府立成人病センター)
  • 平島 智徳(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)
  • 中川 和彦(近畿大学医学部)
  • 安宅 信二(近畿中央胸部疾患センター・臨床研究センター)
  • 木浦 勝行(岡山大学病院)
  • 山本 信之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 西尾 誠人(公益財団法人 がん研究会有明病院)
  • 武田 晃司(大阪市立総合医療センター)
  • 尾下 文浩(神奈川県立がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,852,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
限局型小細胞肺がんを対象に、「エトポシド+シスプラチン(EP)療法1コースと加速多分割胸部放射線療法(AH-TRT)の同時併用(EP/AH-TRT)後の、アムルビシン+シスプラチン(AC)療法とシスプラチン+ビンクリスチン+ドキソルビシン+エトポシド(CODE)療法とのランダム化第II相試験」を実施し、次期第III相試験の試験治療群を選択する。
研究方法
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)肺がん内科グループ38施設の多施設共同試験とし、主要評価項目は1年無増悪生存割合とする。対象は、限局型かつ初回治療の小細胞肺がんで、70才以下、ECOG Performance Status (PS) 0-1、測定可能病変を有し、主要臓器機能が保持された症例とする。治療内容は、EP/AH-TRTを実施後に無作為化割付けし、CODE療法6週間あるいはAC療法3コースの治療を実施する。予定症例数は、80例、集積期間は1.5年、追跡5年とする。倫理的配慮においては、ヘルシンキ宣言や臨床研究に関する倫理指針等を遵守し、IRB承認、自由意思による文書同意、個人情報の厳守を必須とした。また、被験者の安全性の確保を最優先とした。
結果と考察
平成21年にJCOGプロトコール審査委員会に実施計画書の審査を申請、平成23年3月に最終承認を得た。平成23年5月に第1例目が登録され、平成24年3月末まで36例が集積された。JCOG平成23年度後期モニタリングでは、解析対象31例の背景因子は、年齢中央値63歳(範囲49-70)、男24女7、病期II期9III期22、登録時PS 0/1は26/5であった。25例がEP/AH-TRTを完了し、無作為化割付けがなされている(CODE群14 AC群11)。EP/AH-TRTの効果は、CR 2 PR 21 SD 2であった。4例が無作為化割付け前に治療を中止した(拒否2 PD 2)。毒性データは収集中であるが、CODE群の1例がグレード4のALT上昇のため治療を中止している。現在まで治療関連死の報告はない。
結論
本年度より、EP/AH-TRT後のCODE療法とAC療法のランダム化第II相試験の症例登録を開始した。3月までに36例が集積され、ほぼ順調に進行中である。毒性においても現在まで大きな問題はない。平成24年度中に登録を完了する見込みである。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119048Z