悪性リンパ腫に対する最適化されたモノクローナル抗体併用療法の開発による標準的治療法の確立

文献情報

文献番号
201119037A
報告書区分
総括
研究課題名
悪性リンパ腫に対する最適化されたモノクローナル抗体併用療法の開発による標準的治療法の確立
課題番号
H22-がん臨床・一般-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
木下 朝博(愛知県がんセンター中央病院 血液・細胞療法部)
研究分担者(所属機関)
  • 堀田 知光(国立病院機構名古屋医療センター 血液内科)
  • 飛内 賢正(国立がん研究センター中央病院 血液内科)
  • 塚崎 邦弘(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 血液内科)
  • 伊藤 国明(国立がん研究センター東病院 化学療法科)
  • 谷脇 雅史(京都府立医科大学医学部医学科 血液・腫瘍内科学)
  • 鈴木 孝世(滋賀県立成人病センター 血液・腫瘍内科)
  • 石澤 賢一(東北大学大学院医学系研究科血液分子治療学寄付講座(血液免疫病学分野))
  • 大間知 謙(東海大学医学部 血液・腫瘍内科)
  • 楠本 茂(公立大学法人名古屋市立大学大学院医学研究科 腫瘍・免疫内科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,033,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma; DLBCL)に対する標準治療はR-CHOPだが、抗CD20抗体rituximab(RIT)の投与方法は未だ最適化されておらず確立する必要がある。未治療のDLBCLを対象として、現在の標準治療である8コースのCHOPの各コースにRITを計8回投与する方法(R-CHOP)を対照に、CHOP開始時点からRITを週1回連続8回投与する方法(RW+CHOP)の有用性をランダム化第II/III試験により検証する。R-CHOPの初期に集中的にRITを投与するRW+CHOPの有用性を検証したランダム化比較試験はなく、極めて独創的な試験デザインである。
研究方法
未治療DLBCLを対象とするランダム化第II/III相試験。対照治療はR-CHOP、試験治療はRW+CHOP。第II相部分のprimary endpointは完全奏効割合、第III相部分のprimary endpointは無増悪生存期間。予定登録数は各郡180例、計360例。登録期間は5年間。臨床試験はJCOGデータセンターの支援の下にJCOG-LSGの全国の基幹47施設による多施設共同研究として実施する。
結果と考察
本試験は進行期低リスクDLBCLを対象として2007年12月4日に登録を開姶したが、症例登録が予定を下回っていたため、全病期の全IPIリスク群に対象を拡大するプロトコール改正を行った。改正は2010 年 9 月 2 日 に JCOG 効果・安全性評価委員会で承認され 9 月16 日に発効した。2012年5月1日現在参加47施設中45施設においてプロトコール改正のIRB手続きが完了した。プロトコール改正後は患者登録ペースが大幅に改善し、2012年5月1日現在の登録総数は234例で目標360例の65%に達した。
結論
本試験はプロトコール改正後症例登録が順調に増加している。RW+CHOPによって治療成績が向上した新たな標準的治療法を確立することが期待される。RITは高額医薬品であり、至適治療法の確立によって治癒率が向上すれば、再発例を減らして医療経済面でも国民福祉に貢献できる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119037Z