がん対策に資するがん患者の療養生活の質の評価方法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
201119028A
報告書区分
総括
研究課題名
がん対策に資するがん患者の療養生活の質の評価方法の確立に関する研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
宮下 光令(東北大学 大学院医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 森田達也(聖隷三方原病院緩和支持治療科)
  • 加藤雅志(国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部)
  • 藤澤大介(国立がん研究センター精神腫瘍学)
  • 的場元弘(国立がん研究センター中央病院手術・緩和医療部緩和医療科)
  • 中保利通(東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座緩和医療学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
14,344,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の目的は「がん対策推進基本計画」で定められた全体目標の一つである「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上」の達成状況の把握に資するよう、がん患者の療養生活の質の評価方法を確立し、全国調査並びに分析を行うことである。
研究方法
結果に示す5つの課題について検討した。
結果と考察
1.受療行動調査等を用いたがん患者のQOL測定についての検討では、受療行動調査にがん患者のQOLを測定するための項目を追加し、受療行動調査と患者調査のデータリンケージによりがん患者の療養生活の質を評価する方法を確立した。平成23年度に実施された受療行動調査について実施状況の確認と、受療行動調査の調査項目の信頼性・妥当性を検討するための調査を外来患者にて実施した。2.治療期における療養生活の質の評価方法に関する研究では外来化学療法を受けるがん患者の症状頻度およびニードに関して改定した自己記入式質問票(生活のしやすさ質問票 第3版)を用いて、身体症状・気持ちのつらさの頻度を明らかにするとともに、多施設での本質問票の実施可能性を検討し評価方法の実施手順書を作成した。3.がんの長期生存者のQOLの評価に関する研究では術後5年を経過した非小細胞肺がん患者のQOLを評価した。術後5年を経過した非小細胞肺がん患者の大うつ病の有病率は、一般市民の12か月期間有病率と同等であり、QOLにおいても健常成人、乳がんの長期生存者と同程度であると考えられた。4.疼痛の評価指標に関する研究はPain Management Index(PMI)を地域がん診療連携拠点病院1施設の全ての入院がん患者を対象として電子カルテ内問診票を用いて調査した。結果はPMI値が負値をとったのは11例(PMI=-1、8例;PMI=-2、3例)有痛患者90例中12.2%であった。5.緩和ケアの構造・プロセス、アウトカム評価における代理評価の信頼性の検証に関する研究は、がん患者・家族のデータ収集を終了した(69例)。遺族調査は現在データ収集中であり、平成24年度に全てのデータの分析を行う予定である。
結論
本年度まで研究は順調に進行しており、平成24年度末には上記が完遂する予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119028Z