文献情報
文献番号
201119020A
報告書区分
総括
研究課題名
HER2過剰発現のない乳癌に対する術前化学療法におけるCarboplatinの有用性の検討
課題番号
H21-がん臨床・一般-020
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
安藤 正志(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院 乳腺科・腫瘍内科)
研究分担者(所属機関)
- 笠井 宏委(独立行政法人 国立がん研究センター 中央病院 臨床試験・治療開発部)
- 竹内 正弘(北里大学薬学部 教授)
- 青儀 健二郎(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 乳腺科医長)
- 千葉 明彦(神奈川県立がんセンター 乳腺甲状腺外科医長)
- 中村 清吾(昭和大学医学部 乳腺外科教授)
- 増田 慎三(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 乳腺外科)
- 山本 尚人(千葉県がんセンター 乳腺外科部長)
- 井上 賢一(埼玉県立がんセンター 乳腺腫瘍内科科長兼部長)
- 大野 真司(国立病院機構九州がんセンター 乳腺科医長)
- 黒井 克昌(東京都立駒込病院 臨床試験科・外科部長)
- 山内 英子(聖路加国際病院 乳腺科部長)
- 藤田 崇史(愛知県がんセンター中央病院 乳腺科部医長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
48,361,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HER2過剰発現のない手術可能乳がんを対象とした術前化学療法で、CBDCA 3週1回/PTX週1回併用→CEF療法の病理学的完全奏効率(pCR率)をPTX週1回→CEF療法とランダム化比較し、CBDCAの臨床的有用性を評価。
研究方法
対象症例は、浸潤性乳がん初回治療、臨床病期II期またはIIIA期で: 乳腺超音波にて腫瘍径2.1cm以上の患者or 乳腺超音波にて腫瘍径2.1cm未満では乳腺超音波で腋窩リンパ節転移ありに該当、HER2過剰発現なし、ホルモン受容体の状況は問わない、同意取得時年令が18才以上70才以下、PS0-2、適切な臓器機能を有する、心疾患の合併・既往なし。
治療レジメン:CP群:PTX 80 mg/m2週1回 x 12/CBDCA(AUC5)/3週1回 x 4→CEF療法 x 4 (CPA 500 /EPI 100 /5-FU 500 mg/m2)、P群:PTX 80 mg/m2週1回 x 12→CEF療法 x 4
予定症例数は220例で、症例集積期間2年、観察期間は1年、総試験期間は3年。参加施設は10施設。
治療レジメン:CP群:PTX 80 mg/m2週1回 x 12/CBDCA(AUC5)/3週1回 x 4→CEF療法 x 4 (CPA 500 /EPI 100 /5-FU 500 mg/m2)、P群:PTX 80 mg/m2週1回 x 12→CEF療法 x 4
予定症例数は220例で、症例集積期間2年、観察期間は1年、総試験期間は3年。参加施設は10施設。
結果と考察
試験の進捗状況より、220例の集積完了は平成24年1月末と予想された。このまま試験を継続した場合、pCR評価のデータ収集が完了するのは平成24年10月頃と考え、必要な経費の確保が困難なため、平成23年9月30日の時点で181例を集積・登録を終了。
H24年3月までに171例が術前化学療法後に手術を受けた(CP群86例、P群85例)。手術例のうち、138例(CP群67例、P群71例)に対して病理中央診断を実施。pCRは、CP群19例(28.4%)、P群14例(19.7%)であった。各治療群におけるgrade 3以上の有害事象は、好中球数減少(P群28例、CP群61例)であり、P群と比較してCP群の骨髄抑制が強い傾向であった。
H24年3月までに171例が術前化学療法後に手術を受けた(CP群86例、P群85例)。手術例のうち、138例(CP群67例、P群71例)に対して病理中央診断を実施。pCRは、CP群19例(28.4%)、P群14例(19.7%)であった。各治療群におけるgrade 3以上の有害事象は、好中球数減少(P群28例、CP群61例)であり、P群と比較してCP群の骨髄抑制が強い傾向であった。
結論
本試験の最終結果については、手術例の病理診断を終了後、解析する予定である。
試験実施に伴い、治験調整に関わる業務が膨大となった。さらに、治験実施に関わる業務(モニタリング、データマネージメント、監査)を外部委託した際の費用が研究費全体の約70%近くを占めた。今後、医師主導治験を実施するためには、治験調整業務を担う施設が、モニタリング、データマネージメント、および監査などの業務を実施可能な体制整備が必須であると考えられた。
試験実施に伴い、治験調整に関わる業務が膨大となった。さらに、治験実施に関わる業務(モニタリング、データマネージメント、監査)を外部委託した際の費用が研究費全体の約70%近くを占めた。今後、医師主導治験を実施するためには、治験調整業務を担う施設が、モニタリング、データマネージメント、および監査などの業務を実施可能な体制整備が必須であると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2015-05-21
更新日
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