都道府県がん対策推進計画におけるアクションプランの実施プロセス評価およびサポート体制に関する研究

文献情報

文献番号
201119002A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県がん対策推進計画におけるアクションプランの実施プロセス評価およびサポート体制に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
今井 博久(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 渡邊 清高(国立がん研究センター がん対策情報センター)
  • 小坂 健(東北大学大学院 国際歯科保健学分野)
  • 福田 吉治(山口大学 医学部)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
  • 中尾 裕之(国立保健医療科学院 政策技術評価研究部)
  • 米澤 純子(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 助友 裕子(国立がん研究センターがん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
目的は「都道府県が進めるがん対策推進計画のアクションプランの評価を行い、推進計画を実行可能にするサポート体制構築を検討すること」であった。
研究方法
(1)都道府県のアクションプランの包括的な評価と好事例分析:アクションプランを米国の疾病管理センター(CDC)の政策評価で使用されている5つの評価の大項目を採用し、さらに研究班で評価の中項目について検討した。大項目として5つ(アドボカシー、規制、能力開発、資金、パートナー)、中項目として研究班内で独自に適切な内容を検討し2つから7つ項目を作成した。判定の基準として、わかりやすさ、実現可能性、工程の具体性、実施主体の点から評価した。
(2)モニタリングの方法論の検討:
この検討では、文書調査および担当者へのインタビュー調査を実施し、得られたデータの分析を行った。
結果と考察
(1)たばこ対策では、2府県のたばこ対策が好事例として分析された。がん医療では、レビュー評価の高かった3府県が好事例として分析された。がん検診では、2府県のアクションプランが、わかりやすさ、実現可能性、工程の具体性、実施主体等の点から好事例として分析された。
(2)モニタリングの方法論の検討:静岡県のがん対策における事業と評価指標の関連性についてのロジックを包括的ながん対策推進のためのロジックモデルとして検討した。静岡県をモデルとして現状の数値モニタリングと課題、今後の方向性について検討し、ロジックモデルの試案を提示した。
(3)国際シンポジウムの開催:全国から自治体のがん対策推進計画の担当者やがん医療の現場で活躍されている幹部医師等が参加し、熱心なデスカッションが展開され、多くの意義深い成果が得られた。
結論
わが国のがん対策を推進する上で、47の都道府県がん対策推進計画はきわめて重要な意義を持つ。この推進計画が妥当で合理性を持ち実現可能性が高いものであればあるほど、「均てん化」の目標に近づくことができるだろう。本研究では常にそれを意識しながら作業を進めてきた。都道府県がん対策推進計画のアクションプランの評価とサポート体制に関する研究は、科学的な手法を用いた評価を実施し、その結果を都道府県にフィードバックしアクションプランの推進と今後の見直しに役立つようにした。また数値管理の方法論も提示した。これらの研究成果は都道府県の支援に貢献できるだろう。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

文献情報

文献番号
201119002B
報告書区分
総合
研究課題名
都道府県がん対策推進計画におけるアクションプランの実施プロセス評価およびサポート体制に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
今井 博久(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 渡邊 清高(国立がん研究センター がん対策情報センター)
  • 小坂 健(東北大学大学院 国際歯科保健学分野)
  • 福田 吉治(山口大学 医学部)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
  • 中尾 裕之(国立保健医療科学院 政策技術評価研究部)
  • 米澤 純子(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 助友 裕子(国立がん研究センター がん対策情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、都道府県がん対策推進計画策定後に公表された行動計画であるアクションプランに対する評価を実施することである。都道府県の間で推進計画には質および量において大きな差があることが明らかになり、アクションプランに関しても同様な格差が懸念された。アクションプランを客観的に評価し、その評価結果を都道府県にフィードバックしそれを受けて都道府県は修正すべき点は修正し、他の自治体の好事例で学べるところは学び、取り入れるべき点は取り入れ、がん対策の計画と実行を円滑に進めることが期待される。
研究方法
都道府県のアクションプランを対象として、米国の疾病管理センター(CDC)の政策評価で使用されている5つの評価の大項目を採用し、大項目として5つ(アドボカシー、規制、能力開発、資金、パートナー)、中項目として研究班内で独自に適切な内容を検討し2つから7つ項目を作成し、評価した。判定の基準として、わかりやすさ、実現可能性、工程の具体性、実施主体の点から評価した。採点に関しては、研究班の担当者がそれぞれの項目について判断した。
結果と考察
「たばこ対策」「がん医療」「がん検診」の3つの分野を個別に評価し、3つの分野の結果を総合的に評価した「総合評価」のランク付けを実施した。3つ分野のアクションプランがすべてSであった自治体は2府県で「特に優れている」にランク付けされた。Sが2つでAが1つであった自治体は4県で「優れている」となった。Sが1つでAが2つであった自治体は8都県で「概ね妥当」あった。
平成24年度以降の後半の5年間の都道府県がん対策推進計画やアクションプランの策定には、多くの人材、時間、労力などを注ぎ込み、妥当性、具体性、実現可能性、整合性などの観点から観て優れた内容のものを策定されることが期待される。
結論
優れたアクションプランがある一方で、不十分なアクションプランもあり、都道府県に大きな差があった。本研究の評価方法に限界点はあるかもしれないが、推進計画における修正すべき点は修正すべきだろう。平成24年度は、後半5年間に向けた見直しの検討時期である。今回の評価結果は郵送で都道府県にフィードバックされた。本研究班の成果が有形無形の形で地域のがん対策の底上げに役立つことを期待したい。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201119002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
我が国のがん対策は研究中心であった。がん患者が生活する地域のがん対策の整備こそが直接がん患者の生活の質を向上できる。そうした観点からがん対策の科学的な定性評価を行った。
地域のがん対策の底上げに役立ち、行政の施策推進に資する研究である。わが国のがん対策を広く推進し、政策的観点から貢献できる研究と位置付けられる。
臨床的観点からの成果
なし
ガイドライン等の開発
後半5年間に向けた計画策定に、役立つ、ガイドラインに成り得る内容を有する書籍を執筆中で7月の発刊予定である。第二期の推進計画策定に向けて、必ず記載しなければならない数値について掲示し、その質と量の範囲を明らかにする。また数値管理に関してはどこから収集し、どのようにモニタリングを進めるかを解説する。たばこ対策から緩和ケアに至るすべての諸対策についても先行している好事例を具体的に示し、策定される推進計画が具体的な内容を持つようにガイドラインとしての機能を果たす内容とした。
その他行政的観点からの成果
都道府県が進めるがん対策推進計画のアクションプランの定性的な評価を行った。優れたアクションプランがある一方で、不十分なアクションプランもあり、都道府県に大きな差があった。本研究の評価方法に限界点はあるかもしれないが、推進計画の修正すべき点は修正すべきだろう。平成24年度は、後半5年間に向けた見直しの検討時期である。今回の評価結果は郵送で都道府県にフィードバックされた。本研究班の成果ががん対策行政に役立つ。
その他のインパクト
2011.12.1に2国立がん研究センター国際研究交流会館に於いて、国際シンポジウム「わが国の都道府県のがん対策推進を考える」を開催、医学界新聞に大きく掲載された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
9件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
10件
学会発表(国際学会等)
4件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
H Fukuda, H Imai.
Cost Effectiveness Analysis of Liver Transplantation.
Liver Cancer:Causes, Diagnosis and Treatment. , 195-221  (2011)
原著論文2
助友 裕子
わが国におけるがん死亡・羅患の現状とがん対策の動向 -がん対策に関わる身体活動の可能性-
体育の科学 , 62巻 (2号) , 86-90  (2012)

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
2018-06-11

収支報告書

文献番号
201119002Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,700,000円
(2)補助金確定額
8,700,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 959,934円
人件費・謝金 2,380,233円
旅費 1,320,299円
その他 4,039,534円
間接経費 0円
合計 8,700,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2017-09-05
更新日
-