肺癌糖鎖標的マーカーの実用化に向けた定量的糖鎖構造変動解析システムの構築

文献情報

文献番号
201118069A
報告書区分
総括
研究課題名
肺癌糖鎖標的マーカーの実用化に向けた定量的糖鎖構造変動解析システムの構築
課題番号
H23-3次がん・若手-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
植田 幸嗣(独立行政法人理化学研究所 ゲノム医科学研究センター バイオマーカー探索・開発チーム)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
3,918,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦において肺癌は部位別がん死亡率で第一位を占めており、肺癌の罹患数、死亡者数を減少させることが急務となっている。申請者はこれまで、血清による肺癌の早期診断を目指して様々なグライコプロテオーム解析技術を用い、早期肺癌において糖鎖構造に変化が認められる多数の糖鎖標的マーカー候補の同定を行ってきた。そこで本研究ではそれら全てのマーカー候補糖タンパク質上に付加されている糖鎖の癌性変化を高感度に定量化、統合することによって肺癌を「治療可能な段階で早期に発見すること」、さらには「症状が出る前でのリスクの把握を可能にすること」を目標とする。
研究方法
単一な糖鎖構造を持つ糖ペプチドライブラリ(ペプチド部分一定)を独自に調製し、それらのMRM分析から得られた定量的質量分析データと糖鎖構造の関連付けを網羅的に行う。関連付けが完了した糖鎖構造から、それらのデータベース化、定量アルゴリズムの構築を行う。
結果と考察
IgG1分子が持つ糖鎖構造のモル比99%以上を占める29種類の糖鎖が付加されたペプチドを単離、精製することに成功した。続いて、それら個々の糖ペプチドMRM分析から得られた定量的質量分析データと糖鎖構造の関連付けを詳細に行い、各々混合物中での含有率0.1%以上、絶対量30 amol(アトモル = 10-18モル)以上、測定定量幅10の4乗以上の感度、定量性で糖鎖構造バリエーションの分析ができる質量分析条件を決定した。
結論
「糖鎖バリエーション高速定量化システム」を単一の糖タンパク質モデルを用いて構築できたので、今後は実際に診断で用いる複雑な血清トリプシン消化物などから高感度に特定の糖鎖付加部位における糖鎖変動を分析できるように改良を加える予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118069Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
5,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,763,335円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 154,665円
間接経費 1,082,000円
合計 5,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-