高精度放射線治療システムの実態調査と臨床評価に関する研究

文献情報

文献番号
201118065A
報告書区分
総括
研究課題名
高精度放射線治療システムの実態調査と臨床評価に関する研究
課題番号
H23-3次がん・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中村 和正(九州大学病院)
研究分担者(所属機関)
  • 鹿間 直人(埼玉医科大学国際医療センター)
  • 宇野 隆(千葉大学大学院 医学研究院)
  • 戸板 孝文(琉球大学 医学部)
  • 角 美奈子(国立がん研究センター)
  • 大西 洋(山梨大学 医学部)
  • 古平 毅(愛知がんセンター中央病院 )
  • 小泉 雅彦(大阪大学医学部附属病院 オンコロジーセンター)
  • 小川 和彦(琉球大学医学部附属病院)
  • 権丈 雅浩(広島大学大学院 医歯薬保健学研究科)
  • 山内 智香子(滋賀県立成人病センター)
  • 塩山 善之(九州大学大学院 医学研究院)
  • 手島 昭樹(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 佐々木 智成(九州大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
18,021,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
放射線治療は近年非常な進歩をとげ、先進的な放射線治療機器の導入が進んでいる。その実現には、人員配置、機器の運用や品質管理体制等の「診療の質」の充実が不可欠であるが、実態は不明である。本研究の目的は、高精度放射線治療機器導入の実態をサーベイするとともに、ランダムに抽出した施設を訪問し、品質管理体制、治療過程等を調査し、各施設にフィードバックし、本邦の放射線治療の質の向上に大きく寄与することである。
研究方法
まず、高精度放射線治療の質に関する評価項目を策定する。次年度に、前年に作成した評価項目を用いて全放射線治療施設にアンケート調査を実施すると同時に、ランダムに選択した40-50施設への訪問調査を行う。最終年度に結果をまとめ、施設ごとの評価項目の差異等を解析し、構造と診療過程の実態を明らかとし、改善のための提言を行う。
結果と考察
平成23年度は以下の項目を実施した。
・高精度放射線治療全体(体幹部定位放射線治療、強度変調放射線治療、画像誘導放射線治療など)の質に関する評価項目を策定した。評価項目は、構成スタッフ、高精度放射線治療技術、治療計画方法、品質管理体制等の7つの大項目に分け、合計145項目となった。
・肺癌、前立腺癌、頭頸部癌の3疾患を選択し、高精度放射線治療の診療の質の評価項目を策定した。評価項目は、各疾患当たり約80項目となった。
・全国放射線治療施設への高精度放射線治療に関するアンケートを作成し、Web入力システムを構築した。本アンケート調査は、平成23年11月16日の日本放射線腫瘍学会の理事会にて承認を受け、平成24年4月よりはじまった日本放射線腫瘍学会の構造調査に合わせて、全国の放射線治療施設に対して実施中である。
・研究分担者の大阪大学にてDICOM-RTビューアの開発を進めた。DICOM-RTビューアの機能としては、CTの表示 (axial, sagittal, coronal slice)、contoursの重ね合わせ、線量分布、DVHの表示、ターゲットの体積の計算等が可能である。
上記で策定した調査・アンケート項目で、高精度放射線治療の実態の詳細が把握できるものと考えられた。
結論
高精度放射線治療の質に関する評価項目の策定を行った。今後は、実際にアンケートおよび訪問調査を実施し、高精度放射線治療の実態調査を実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118065Z