リプログラミング技術による消化器癌の新しい診断・治療

文献情報

文献番号
201118046A
報告書区分
総括
研究課題名
リプログラミング技術による消化器癌の新しい診断・治療
課題番号
H22-3次がん・一般-031
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中森 正二(国立病院機構 大阪医療センター )
研究分担者(所属機関)
  • 森 正樹(大阪大学 大学院  消化器外科講座)
  • 山田 泰広(京都大学 iPS細胞研究センター)
  • 石井 秀始(大阪大学 大学院  消化器癌先進化学療法開発講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
14,103,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高度の先端医科学技術を癌制圧に向けて展開し、癌死の過半数を占める消化器癌の治療成績を格段に向上させることを目的とする。そのために、最近特に新しい技術として世界的な注目を集めている細胞のリプログラミングを癌の治療・診断に応用する。
研究方法
1)癌幹細胞の直接リプログラミング効果:消化器癌(食道・胃・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓癌)の細胞株と臨床材料に於ける消化器癌幹細胞を直接リプログラミングすることによる悪性形質改善効果を明らかにする。
2)正常と癌の幹細胞のリプログラミング感受性の相違:癌幹細胞、非癌幹細胞、正常幹細胞に区別し、臨床応用に必要なレベルまで掘り下げて研究し、『癌幹細胞』がリプログラミングに高感受性である分子基盤を解明する。
3)正常幹細胞が癌化する過程に於けるリプログラミング事実の検証:
結果と考察
癌細胞株を用いて、iPS細胞作成で使用された遺伝子に加えて、癌遺伝子・癌抑制遺伝子を導入することによって、癌細胞のリプログラミングに成功した。この技術を応用発展させ、ヒト新鮮材料を用いて、消化器癌から新鮮培養を行い、その癌細胞のリプログラミングのための培養至適条件を検討し、癌細胞のリプログラミング技術を確立した。リプログラミングした癌細胞の生物学的特性を解析することができた。癌細胞をリプログラミングすることにより、癌細胞の治療抵抗性を変化させる可能性が見いだされ、臨床応用への基盤を構築することができた。
結論
細胞のリプログラミングは正常細胞のiPS技術と同様に癌細胞においても細胞の性質を大きく変換できる可能性が強く示唆され、未来型の開拓医療としてチャレンジする価値が高く、大きな成果が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201118046Z