診断用機器及び診断方法の開発に基づいたがん診断能向上に関する研究

文献情報

文献番号
201118034A
報告書区分
総括
研究課題名
診断用機器及び診断方法の開発に基づいたがん診断能向上に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-3次がん・一般-019
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
森山 紀之(独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 藤井 博史(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
  • 柿沼 龍太郎(独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター)
  • 内山 菜智子(独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター)
  • 黒木 嘉典(栃木県立がんセンター)
  • 佐竹 光夫(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
  • 津田 均(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院)
  • 井野 彰浩(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター)
  • 仁木 登(徳島大学大学院ソシオテクノ研究部)
  • 佐藤 均(東京医療保健大学医療保健学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
65,032,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)CT,MRI,PET,消化管内視鏡,超音波,マンモグラフィ等を用いた高精度がん検診を実際に行いどの程度の頻度で発見可能であるのかを明らかとする

2)診断用ME機器の開発を進めるとともにこれらをがん診断の臨床に応用しがん画像診断の向上を目指す

3)臨床,病理画像のデータベース化,患者および家族向けの画像データベースの構築を行い画像診断の均てん化と精神的ケアを行う

4)コンピュータ支援がん画像診断装置(CAD)の開発を行い画像診断の精度と効率の向上を目指す
研究方法
1)高精度がん検診を実際に行い各種検査方法と発見がんとの関係を明らかとした

2)仮想内視鏡の撮影方法の確立と臨床応用,肺野および日本人に適した乳房トモシンセシスアルゴリズムの開発を行った

3)典型例,稀な症例,教育的な症例に対し病理および臨床画像と患者および家族用の画像をデータベース化した

4)デジタル画像情報に基づいた肺野CTは徳島大学ソシオテクノサイエンス部,肺野トモシンセシスは島津製作所,拡大CT,裸眼3D画像は東芝メディカル社との共同研究として行った
結果と考察
1)仮想内視鏡の進行大腸がん,5mm以上の隆起型早期大腸がんに対する検出能は100%であった. トモシンセシスによる肺病変の検出能はCTの1/10の線量で5mm大の病変が発見可能であった.乳がんに対してはマンモグラフィで発見不能であった病変の発見も可能であった.拡大CTは通常のCTより優れた診断能を有した

2)高精度がん検診によって8,350人中441人(5.3%)に何らかのがんが発見され潜在するがんの多さが確認された.発見されたがんの大部分は早期のがんであり繰り返し受診者ではこの傾向はさらに著しかった

3)臨床画像データベースが登録公開された

4)仮想内視鏡, マンモグラフィ,肺CT,仮想内視鏡に対するCADの有用性が確認された
結論
1)大腸がんに対する仮想内視鏡,肺がん・乳がんに対するトモシンセシスは臨床上優れた検出能を示した.拡大CTは小病変の質的診断に優れ病変発見後の精査に有用であった

2)高精度のがん検診によって約20人に1人は何らかのがんを有しており検診の重要性が確認できた

3)2万画像を超える臨床,病理,患者および家族向けの画像をデータベース化し公開した

4)仮想内視鏡, マンモグラフィ,肺CTのCADの臨床応用を行い有用性が確認された

公開日・更新日

公開日
2015-05-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118034Z