小児先天性・難治性疾患に対する遺伝子・細胞治療の開発と実施

文献情報

文献番号
201117008A
報告書区分
総括
研究課題名
小児先天性・難治性疾患に対する遺伝子・細胞治療の開発と実施
課題番号
H22-次世代・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小野寺 雅史(独立行政法人 国立成育医療研究センター 研究所 成育遺伝研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 奥山 虎之(独立行政法人国立成育医療研究センター 臨床検査部)
  • 瀧本 哲也(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 臨床研究センター 臨床研究推進室)
  • 中林 一彦(独独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 周産期病態研究部 合併症妊娠管理室)
  • 河合 利尚(独立行政法人国立成育医療研究センター研究所 成育遺伝研究部 遺伝子診断治療研究室)
  • 岡田(岩田)真由美(東京都立東大和療育センター 小児科)
  • 布井 博幸(宮崎大学医学部 生殖発達医学講座 小児科学分野)
  • 久米 晃啓(自治医科大学 分子病態治療研究センター 遺伝子治療研究部)
  • 大津 真(東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター 幹細胞治療研究分野 ステムセルバンク)
  • 有賀 正(北海道大学大学院医学研究科 小児科学分野)
  • 福島 敬(筑波大学大学院人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻小児科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 慢性肉芽腫症(CGD)は食細胞の異常で、病原体を殺菌するための活性酸素を産生するNADPHに異常があり、その構成因子のX連鎖型gp91phox欠損がその主体をなす。症状として、幼児期からの重度の感染症と諸臓器における肉芽腫形成が上げられ、現時点で根治療法とよべるものはHLAが一致した造血幹細胞移植しかない。本研究では、小児難治性先天異常症に対する造血幹細胞遺伝子細胞治療の開発とその臨床応用に向け、国立成育医療研究センターが中心となってCGDに対する造血幹細胞遺伝子治療を行い、包括的な遺伝子治療の実施体制を構築する。
研究方法
 本研究では、研究内容を主に遺伝子治療の安全性、有効性を評価する前臨床研究と実際の造血幹細胞遺伝子治療実施に向けた臨床研究に分け、各々の研究者が分担して複数の研究を並行して行った。
結果と考察
 前臨床研究としては、1. 疾患モデルマウスや患者由来iPS細胞を用いたCGDの病態解明、2. 非ウイルスベクターによるin vivo遺伝子導入の評価、3. 新規インスレーター同定ならびにその機能解析などを行った。臨床研究としては、4. 乳児期早期から重篤な感染症をきたしたCGD兄弟例の報告、5. CGD腸炎に対するサリドマイドの有効性に関する研究、6. CGDにおける遺伝子変異と臨床症状の相関関係、7. CGDの遺伝子診断体制に関する研究、8. HSV-TK遺伝子治療臨床研究を受けた小児例の報告などであり、実施体制に関しては、9. 遺伝子治療臨床研究で使用される細胞調製室の整備とDry Runに基づくSOPの作成、10. 遺伝子治療臨床研究における臨床データ管理に関する研究を行った。
結論
小児先天性・難治性疾患の根治的治療法としての幹細胞遺伝子細胞療法に関し、慢性肉芽腫症をその対象疾患として、上記のような前臨床研究及び臨床研究ならびに実施体制整備を行った。なお、本遺伝子治療臨床研究の審査に関しては、当研究センターの遺伝子治療臨床研究審査委員会において平成23年2月24日付けで承認され、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会においては平成24年3月28日付けで了承された。最終的に厚生労働大臣の承認が得られた段階で本遺伝子治療臨床研究は開始される。

公開日・更新日

公開日
2012-12-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-03-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201117008Z