文献情報
文献番号
201117005A
報告書区分
総括
研究課題名
小児先天性疾患および難治性疾患における臨床的遺伝子診断の基盤整備
課題番号
H21-子ども・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(国立大学法人 浜松医科大学 小児科学)
研究分担者(所属機関)
- 大喜多肇((独)国立成育医療研究センター)
- 福嶋義光(信州大学医学部)
- 斎藤加代子(東京女子医科大学)
- 松原洋一(東北大学医学部)
- 深見真紀((独)国立成育医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、小児先天性疾患および難治性疾患の臨床的遺伝子診断の継続的実施を可能とする基盤を整備することである。本邦における遺伝子解析研究は、新規あるいは同定直後の既知遺伝子を対象としてなされ、臨床応用としての遺伝子診断は、その情報が公開され一般医師に広く認知されることで需要が高まる。しかし、この段階では研究メリットに乏しく、遺伝子診断の継続が困難となっている。本研究の必要性は、この乖離を埋めることにある。
研究方法
本研究の遂行にあたっては本研究で実施した遺伝子検査については、10学会が2003年に制定した「遺伝学的検査に関するガイドライン 」およびヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(平成17年6月文部科学省厚生労働省経済産業省告示第1号)に従っている。
結果と考察
当該年度においては、明確な遺伝子診断アプローチが定まっていないインプリンティング疾患の解析手法の確立(Prader-Willi症候や第14染色体父性ダイソミー症候群)、アレイCGHや次世代シークエンサーなどの全ゲノム解析手法の遺伝子診断への応用(POR異常症におけるプロモーターの同定、SHOX異常症におけるエンハンサーの同定、アロマターゼ過剰症におけるゲノム構造異常の同定)、腫瘍性疾患において実用性の高いパラフィンブロックを用いた腫瘍性疾患の診断、倫理的基盤の確立(小児遺伝学会や全国遺伝子医療部門連絡会議との連携による「遺伝学的検査の実施」と「試料の保存および研究使用について」の同意書・説明書案の作成ならびに新ガイドライン「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」に記載する内容の提唱)、遺伝カウンセリング体制の実態調査のまとめと下記のe-learning システムを用いた教育ツールの整備、遺伝子診断の臨床提供における経済的基盤整備の研究(NPO法人オーファンネットジャパンとかずさ研究所との協力体制の確立と遺伝子診断コストの低下、ならびに検体の取り扱いに関する倫理的事項の検討)、遺伝医学系統講義の教育ツールの作成とe-learning システムの構築(遺伝医学講義全18項目のDVD作成と全国遺伝子医療部門連絡会議ホームページからの視聴)、研究班ホームページの設置を行った。
結論
上記の成果は、本邦における臨床的遺伝子診断の推進に大きく貢献すると期待される。
公開日・更新日
公開日
2012-12-28
更新日
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