都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応

文献情報

文献番号
201116020A
報告書区分
総括
研究課題名
都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応
課題番号
H23-認知症・指定-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
朝田 隆(筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
  • 泰羅 雅登(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 石合 純夫(北海道公立大学法人札幌医科大学医学部)
  • 清原 裕(九州大学大学院医学研究院)
  • 池田 学(熊本大学大学院生命科学研究部)
  • 諏訪 さゆり(千葉大学大学院看護学研究科)
  • 角間 辰之(久留米大学バイオ統計センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
39,440,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)都市部において平成22年度の調査と同様の方法で認知症有病率を調査する。
2) 認知症患者にみられる生活障害の実態について知見を得て体系化し、その障害の脳内基盤を明らかにする。
研究方法
1)有病率
東京のベッドタウンであり研究学園都市であるつくば市、福岡市のベッドタウンでありわが国最大の地域縦断疫学調査を継続してきた久山町、地方中核都市である大牟田市で調査を開始した。行政と医師会、地元の高齢者団体を巻き込んで調査の基盤を構築し、平成24年1月以降に各地で調査を始めた。65歳以上、100歳まで住民それぞれ1,000名程度、合計3,000名程度を住民基本台帳から抽出して調査候補としている。在宅者のみならず病院・施設居住者における調査も行うことで可及的に悉皆調査を目指す。調査は3段階で、第1段階は調査員の訪問、第2段は医師の面接調査、第3段階はMRI撮像と血液検査等である。
2)認知症ケア
生活障害の発生背景には、認知症に由来する認知機能、精神機能、身体機能、そして介護者との相互反応があり、これらによって本来の行為は歪められ本来の機能を失う。既に若年性Alzheimer病の当事者と家族介護者の12組を対象にこの1年余りに亘って観察と聞き取りによる調査を継続した結果をもとに障害内容を脳科学の次元で抽出・整理する。ここでは精神科医、神経心理学を専門とする神経内科医、作業療法の専門家などが一堂に会してコンセンサスミーティングを行う。一方で生活障害の脳内基盤を、脳内皮質ニューロン活動の局所的変化情報を標準脳表面画像上に表示する新しいイメージング技術であるNAT (Neuronal Activity Topography)とファンクショナルMRIを用いて明らかにする。
結果と考察
有病率調査は、3地点とも23年度から開始された。会場調査は24年6月をめどに、寝たきりの対象や施設入所者・病院入院者についても9月末には調査を終了させる。その後に今回の結果から3地点における推定有病率を算出する。今年度のケア研究により、教材作りと対応指針の基本的な知見が固まった。今後はアニメーション化し、また動画の教材としての完成度を高める。
結論
24年中には有病率調査を終了させ、その結果と22年度調査の結果を合わせて最終的に直近の認知症有病率を出す。認知症患者にみられる生活障害については、今年度の実績をもとに認知症ケアの学問的な基盤を創生することを目指す。

公開日・更新日

公開日
2012-08-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201116020Z