認知症の超早期診断システムの構築と発症予防のための介入プログラムの作成

文献情報

文献番号
201116019A
報告書区分
総括
研究課題名
認知症の超早期診断システムの構築と発症予防のための介入プログラムの作成
課題番号
H23-認知症・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
内田 和彦(筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 朝田 隆(筑波大学 医学医療系 精神医学 )
  • 水上 勝義(筑波大学 医学医療系 精神医学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
22,830,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では「早期介入のための認知症早期診断法の確立」を目指して、申請者らの利根プロジェクトと称する2001年から今日まで継続する「認知症予防の地域介入縦断研究」で蓄積してきた時系列の臨床データと血清を活用し、認知症を発症した者としなかった者の分子基盤の解析により、認知症発症と発症リスク要因・リスク抵抗要因に関わる生体分子(バイオマーカー)を明らかにすることを目的に、これまで申請者らが比較定量タンパク質メタボロミクス技術を用いて発見したアルツハイマー病・軽度認知障害(MCI)の血液中に特徴的に検出されるタンパク質・ペプチドに注目して、地域介入縦断研究の時系列における血清中のこれらバイオマーカーの変動を明らかにする。
研究方法
本年度は、①地域介入縦断研究の時系列データのデータベース化とタンパク質メタボロミクス分析の導入のための血清試料解析条件の検討ならびに臨床データ分析における要件項目の検討、②多施設サンプルを用いたこれまでに見出した血中ペプチドバイオマーカーの横断面における診断精度の解析、③知的健常からMCIへと至った者における血清中のタンパク質の経時的推移について同時多項目免疫アッセイ法を用いた解析、④タンデム四重極質量分析装置を用いた高速MRM(同時多項目分析)LC-MS定量法の確立を行った。縦断研究においては、知的健常からMCIへと至った者の対照として、知的健常まま認知機能を維持している者を比較した。
結果と考察
データベースの構築が終わり、タンパク質メタボロミクスのためのサンプル前処理条件とタンデム四重極質量分析装置を用いた高速MRM(同時多項目分析)LC-MS定量法を確立した。またサンプル保存条件の影響についての解析の結果、タンパク質よりもペプチドが安定であることも確認した。血清タンパク質について同時多項目免疫アッセイ法による解析がほぼ終了した。同時多項目免疫アッセイによる地域介入縦断研究の時系列血清サンプルの解析では、補体などの炎症関連タンパク質の変動を明らかにした。その中には、認知機能の低下だけでなく加齢によって血清中の量が変動するものもあった。
結論
本年度、臨床サンプルの整備、解析手法の確立、バイオマーカーの臨床有効性の解析が終了し、地域介入縦断研究の時系列におけるリスク要因関連バイオマーカーの分析開始の準備が整った。

公開日・更新日

公開日
2012-08-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201116019Z