視線行動に着眼した転倒・骨折予防プログラム(MTSトレーニング)の開発

文献情報

文献番号
201115026A
報告書区分
総括
研究課題名
視線行動に着眼した転倒・骨折予防プログラム(MTSトレーニング)の開発
課題番号
H23-長寿・若手-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
山田 実(京都大学大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 青山 朋樹(京都大学大学院医学研究科)
  • 市橋則明(京都大学大学院医学研究科)
  • 土井剛彦(国立長寿医療研究センター)
  • 浅井 剛(神戸学院大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,227,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、Multi Target Stepping Test(MTST)遂行中の視線行動を計測し、転倒高齢者と非転倒高齢者で比較した。さらに、足元への注意要求を課したトレーニングを24週間実施することにより、踏み外しの有無や視線行動がどのように変化するのかを検証した。
研究方法
【第1研究:実験研究】:対象は過去1年間で転倒経験のある高齢者20例(79±3歳)、転倒経験の無い高齢者20例(76±8歳)、そして健常若年者20例(21±1歳)であった。MTST遂行中における遂行時間、ターゲットの踏み外しの有無、ディストラクターへの誤侵入の有無、それに視線行動(アイマークレコーダー)を計測した。
【第2研究:介入研究】:対象は高齢者20例であり、無作為に介入群10例(80±5歳)とコントロール群10例(76±8歳)に分類した。介入群にはMTSTの難易度を変化させたトレーニングを24週間実施した。
結果と考察
【第1研究】:転倒群では、ターゲットの踏み外し、ディストラクターへの誤侵入ともに、他の2群と比べて有意に多く、また遂行時間も遅かった。また転倒群では、ターゲットから視線を離してからそのターゲットを踏むまでの時間間隔、および次のターゲットに視線が向けられてからそのターゲットを踏むまでの時間間隔ともに、他の2群と比べて有意に短かった。
【第2研究】:第1研究で得られた視線指標は全て、介入群でのみ有意な改善を認めた。また、介入群ではターゲットの踏み外しも有意に減少していた。
結論
転倒群では特異的な視線行動を示しており、その視線行動は適切な介入により改善することが示唆された。さらに、本研究結果を受けて、汎用可能なMTSマットを作成し、次年度からの介入試験に備えた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201115026Z