文献情報
文献番号
201115016A
報告書区分
総括
研究課題名
地域特性に応じた効果的・効率的な24時間訪問看護介護体制の継続的実施および構築方法に関する研究
課題番号
H22-長寿・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
村嶋 幸代(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野))
研究分担者(所属機関)
- 永田 智子(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野))
- 田口 敦子(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野))
- 有本 梓(東京大学 大学院医学系研究科(地域看護学分野))
- 山田 雅子(聖路加看護大学 看護実践開発研究センター)
- 田上 豊((株)三菱総合研究所ヒューマン・ケア事業開発部)
- 福田 敬(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学)
- 要石 恵利子(滋賀県健康福祉部医務薬務課医療福祉推進室)
- 鎌田 久美子(福岡県保健医療介護部医療指導課看護指導係)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
6,080,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
今年度は、地域特性に応じた1)訪問看護が24時間計画的に提供されるための地域の課題の検討、2)地域特性に応じた24時間訪問看護・介護体制の構築方法の明確化を目的とした。
研究方法
滋賀県湖南地域では、24時間訪問看護体制を地域で定着させるための課題を明確化した。福岡県では、保健所を核にした24時間訪問看護体制の構築について評価方法を検討した。また、滋賀県草津市では、訪問看護と介護の協働体制の具体例として「定期巡回・随時対応型訪問サービス」に注目し、頻繁に訪問が必要な要介護者の像を記述した。さらに、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」より、平成20年、平成21年の日本全国の訪問看護ステーションの1ヶ月間の訪問実績および職員数等のデータを取得し、DEA(Data Envelopment Analysis)を用いてステーションの効率性を測定した。
結果と考察
1)滋賀県湖南地域では、24時間訪問看護体制が地域に定着するためには、がん末期・退院直後の者に対する利用促進策が必要であることが明らかになった。2)福岡県では、9箇所の保健所が共通して使用できる評価の視点を明らかにした。これにより、地域の在宅医療のネットワーク構築という目に見えにくい成果を可視化し、次のよりよい展開が得られると期待できる。また、頻繁に訪問が必要な要介護者像として、「要介護4以上で、介護可能な同居家族が1人以下である者」、および「要介護3以下で、処方された薬を指示通りに服薬しない者」が明らかになった。訪問看護ステーションの効率測定については、平成20年から平成21年にかけて、国内のステーション全体の生産性は向上しており、中でも効率性の高いステーションの特徴として、職員常勤換算数が多いこと等が明らかになった。
結論
1)24時間の訪問看護体制を地域に定着させるための課題として、がん末期・退院直後の者に対する利用促進策が必要であることが明らかになったことは、課題の一つである利用者の安定的獲得に重要な知見と考える。2)頻繁な訪問が必要な要介護者像を明確にできたこと、および効率性の高いステーションの特徴を明確に出来たことによって、具体的な24時間訪問看護体制構築方法を提案できる可能性がある。
公開日・更新日
公開日
2012-07-20
更新日
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