文献情報
文献番号
201115007A
報告書区分
総括
研究課題名
運動器疾患の発症及び重症化を予防するための適切なプロトコール開発に関する調査研究
課題番号
H21-長寿・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
- 中村耕三(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 藤野圭司(藤野整形外科)
- 赤居正美(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 星野雄一(自治医科大学)
- 飛松好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 萩野 浩(鳥取大学)
- 森 諭史(聖隷浜松病院)
- 林 邦彦(群馬大学)
- 芳賀信彦(東京大学)
- 緒方 徹(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,096,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
運動器疾患障害化モデルの作成:運動器疾患患者、運動器疾患により特定高齢者、要支援1,2と認定された高齢者の疾患、心身機能、生活機能を調査し、ロコモ25を目的変数とし、その関連要因、決定因を同定し、疾患から要介護に至る過程をモデル化
研究方法
(対象) 全国5カ所の整形外科診療所ならびに併設介護施設で、運動器リハプログラムに参加している高齢者314名(男80,女234)、医師により運動器症状があるが障害はないと判定された者113名、特定高齢者に相当する者は62名、要支援1尼相当する者は94名、要支援2以上に相当する者は40名
(調査項目)生活環境、既往歴、併存症、身体計測、主訴、X-P所見、運動器症状・機能、体力、生活機能、要介護度、ロコモ25(足腰指数25)
(データ解析)調査結果を統計学的に解析し、以下について明らかにする。
(1)ロコモティブシンドロームの構成概念を操作的定義に用いる尺度としてのロコモ25の妥当性を検証する。
(2)測定値を基本属性4変数、病歴・疾患6変数、生活環境1変数、情緒・健康状態7変数、運動器機能7変数、神経症状3変数、痛み4変数、XP 計測4変数、検査3変数、運動機能5変数ならびにロコモ25の計46変数について、各変数相互間の関連性を検討し、ロコモ25の決定因を同定
(調査項目)生活環境、既往歴、併存症、身体計測、主訴、X-P所見、運動器症状・機能、体力、生活機能、要介護度、ロコモ25(足腰指数25)
(データ解析)調査結果を統計学的に解析し、以下について明らかにする。
(1)ロコモティブシンドロームの構成概念を操作的定義に用いる尺度としてのロコモ25の妥当性を検証する。
(2)測定値を基本属性4変数、病歴・疾患6変数、生活環境1変数、情緒・健康状態7変数、運動器機能7変数、神経症状3変数、痛み4変数、XP 計測4変数、検査3変数、運動機能5変数ならびにロコモ25の計46変数について、各変数相互間の関連性を検討し、ロコモ25の決定因を同定
結果と考察
1.ロコモ25総点を、<6,7?15,16?23,24?32,33?40,41?49,50<の7段階に区分すると、医師が判定した重症度区分と相関が高く、高齢者の運動器疾患による運動機能評価尺度として用いることができる。また、ロコモ25の8点増は、機能区分1段階低下に、6点減は一段階改善に相当する。
2.ロコモ25と、関連性の強い運動器症状は、下腿三頭筋、前脛骨筋、大腿四頭筋の筋力低下、腰背部痛、膝痛の有無、下肢感覚低下の有無の6症状であり、そのうち2つ以上の症状があると特定高齢者相当の機能低下であるリスクが高く(オッズ比6.4倍)、大腿四頭筋と前脛骨筋の筋力低下がみられた場合のリスクが最も高かった。。
2.ロコモ25と、関連性の強い運動器症状は、下腿三頭筋、前脛骨筋、大腿四頭筋の筋力低下、腰背部痛、膝痛の有無、下肢感覚低下の有無の6症状であり、そのうち2つ以上の症状があると特定高齢者相当の機能低下であるリスクが高く(オッズ比6.4倍)、大腿四頭筋と前脛骨筋の筋力低下がみられた場合のリスクが最も高かった。。
結論
ロコモティブシンドロームの重症度を測定する尺度としてロコモ25は妥当であることを示し、疾患としての診断基準を提唱した。ロコモティブシンドロームの重症度には複数の運動器疾患による病態が関連していることを実証した。
公開日・更新日
公開日
2012-06-18
更新日
-