ボルテゾミブによる成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)救援療法の医師主導治験

文献情報

文献番号
201114049A
報告書区分
総括
研究課題名
ボルテゾミブによる成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)救援療法の医師主導治験
課題番号
H23-臨研推・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
石塚 賢治(福岡大学  医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 宇都宮 與(慈愛会今村病院分院)
  • 野田 慶太(福岡大学  医学部 )
  • 田村 和夫(福岡大学  医学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
プロテアソーム阻害薬 ボルテゾミブの再発・難治性成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)に対する有効性を知るための臨床第Ⅱ相試験を、有効性が確認された場合には製造販売承認事項一部変更承認(効能追加)が申請できるよう「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP)を遵守した医師主導治験として実施する。同時に、既存薬の稀少疾患に対する適応拡大を目指すストラテジーとして、研究者主導型臨床試験の新たなモデルの構築・確立を行う。
研究方法
急性型、リンパ腫型、または予後不良因子を持つ慢性型ATLと診断後、1レジメン以上の化学療法を受け、再発あるいは再燃した20歳以上で、ECOG performance status 0~2の患者に対し、ボルテゾミブ1.3mg/m2(体表面積)を週2回、2週間(1,4,8,11日目)静脈内に投与した後、10日間休薬(12~21日目)する。これを1サイクルとし8サイクル繰り返す。プライマリーエンドポイントは抗腫瘍効果(総合最良効果)、目標症例数は25例(第1段階15例、第2段階10例)。実施医療機関の治験審査委員会の承認のもとに、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則、GCP及び適用される法律及び規制に従って実施する。症例報告書等における被験者の記載は、患者識別コードを付与し、第三者が直接その患者を識別できないよう十分に配慮し、被験者の個人情報の保護に努める。
結果と考察
平成24年3月末現在8症例の同意が取得され、うち1例は同意取得後の登録前検査で不適格となり、平成24年3月までに7例が登録された。安全性、倫理性において特に指摘すべき問題なく進捗しており、平成23年11月に5例分の症例報告書を固定した時点で、効果安全性評価委員に進捗状況、有害事象一覧、治験実施計画書からの逸脱症例とその内容について書面で送付し評価を依頼し、治験継続可と判定された。
症例登録の遅れが最大の問題点であるが、治験実施施設の追加作業が一施設において終了した。今後の試験進捗の加速が要求される。
結論
ボルテゾミブによる成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)救援療法の医師主導治験において、これまでに7例が登録され、安全に実施された。患者リクルートと症例登録の促進が、今後の最大の課題である。
 ボルテゾミブの再発・難治性ATLに対する有効性を調べ、臨床試験の結果を公表するのみならず、医師主導治験を実施するうえでの問題点を解析し、そのフレームワークを作成できることが期待される。 

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-03-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201114049Z