心筋梗塞患者に対するエポエチンベータ投与による心機能改善効果に関する研究-II

文献情報

文献番号
201114048A
報告書区分
総括
研究課題名
心筋梗塞患者に対するエポエチンベータ投与による心機能改善効果に関する研究-II
課題番号
H23-臨研推・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小室 一成(大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 澤 芳樹(大阪大学大学院 医学系研究科 心臓血管外科学)
  • 鳥羽 健(新潟大学医歯学総合病院 血液内科学)
  • 南野 哲男(大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学 )
  • 肥後 修一朗(大阪大学医学部附属病院 ハートセンター 循環器内科学)
  • 中谷 大作(大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学)
  • 梅垣 昌士(大阪大学 臨床医工学融合研究教育センター 脳神経外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、急性心筋梗塞患者に対してエリスロポエチン(EPO)投与による慢性期心機能改善効果をエポエチンベータ6000単位、12000単位およびプラセボを試験治療とし、中間解析をともなう多施設共同二重盲検無作為化並行群試験にて、急性心筋梗塞に対するEPO投与による慢性心機能改善効果を検討する。
研究方法
本研究では、先行する探索的臨床研究の結果を踏まえ統計学的に必要症例数を算出し、初発の低心機能(左室駆出率50%未満)急性心筋梗塞で600名を対象とする。倫理性、科学的妥当性を担保するため、198例・396例登録を完了した時点で中間解析を行い、解析結果により、試験中止(有効中止、無効中止)もありうる。
主要評価項目は、慢性期左室機能改善度とし、副次評価項目は、生存率、心血管系イベント発症率とする。本研究では、適応外医薬品を使用することから保険診療と併用可能にする高度医療評価制度を活用することとした。その薬剤の提供については、企業から実薬(EPO)とプラセボの提供を受けた。研究組織には、医学統計専門家を含み、独立効果安全性評価委員会、RI中央評価委員会を適切に設置した。さらに、健康被害に対する措置として保険加入行い、被験者保護の徹底を行いつつ、臨床データの信頼性確保、中央モニタリング体制の確立をめざすこととした。
結果と考察
(1)各施設での倫理委員会・高度医療評価制度通過状況(平成24年5月15日現在)
参加24施設中、22施設で倫理委員会を通過しており、2施設にて現在申請・準備中である。
また、14施設で高度医療申請を通過しており、3施設で現在申請中、5施設で作成中である。
(2)症例登録
平成24年5月15日現在、13症例登録されている。
(3)UMIN登録
本研究は臨床研究に関する倫理指針に従い研究を行っている(UMIN試験ID:UMIN000005721)。
(4)ホームページ開設
国民の皆様への本事業の周知ならびに参加施設への情報発信の手段としてホームページを開設した(http://www.epoami2.com/)。
結論
本研究の成果は、梗塞後心不全の発症・重症度の軽減につながり、患者QOLの改善や心不全治療に関する医療費軽減が期待でき、社会への貢献が大きい。また、急性心筋梗塞患者を対象とする日本初の多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験であり、今後、国際的な臨床試験に参加するための基盤システムになる。

公開日・更新日

公開日
2012-07-23
更新日
-

収支報告書

文献番号
201114048Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
26,000,000円
(2)補助金確定額
26,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 928,407円
人件費・謝金 1,683,183円
旅費 2,230,820円
その他 15,157,590円
間接経費 6,000,000円
合計 26,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-05-21
更新日
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