初発膠芽腫に対する新規放射線化学療法による有効治療法確立のための臨床研究

文献情報

文献番号
201114047A
報告書区分
総括
研究課題名
初発膠芽腫に対する新規放射線化学療法による有効治療法確立のための臨床研究
課題番号
H23-臨研推・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
宮武 伸一(大阪医科大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 小野 公二(京都大学原子炉実験所)
  • 切畑 光統(大阪府立大学 生命環境科学)
  • 黒岩 敏彦(大阪医科大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 川端 信司(大阪医科大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 淺井 昭雄(関西医科大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 有田 憲生(兵庫医科大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 加藤 天美(近畿大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 伊達 勲(岡山大学 医歯薬総合研究科、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 菊田 健一郎(福井大学 医学部、脳脊髄外科)
  • 大畑 建治(大阪市立大学 医学部、外科学講座、脳神経外科学教室)
  • 森内 秀祐(りんくう総合医療センター、市立泉佐野病院、脳神経外科)
  • 道上 宏之(岡山大学 医歯薬総合研究科、細胞生理学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
17,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膠芽腫の根治は困難である。X線と新規アルキル化剤テモダール(TMZ)による放射線化学療法がようやく標準治療として認められてきたが、それとてもX線単独治療群の生存期間中央値(MST)12ヶ月にわずか2.5ヶ月の上乗せを追加したに過ぎない。われわれは化学療法の併用抜きでの新規診断膠芽腫に対するBNCT+X線追加照射でMST23.5ヶ月の成績を出し、単一施設での第2相臨床試験として、BNCTの治療効果を報告している。これに続くstepとして、BNCT+X線追加照射+TMZにより、新規診断膠芽腫に対する多施設による比ランダム化第二相臨床試験を行い、その治療効果を客観的に評価することを目的として、本臨床試験を行なっている。
研究方法
京都大学原子炉(KUR)を使用し、新規診断膠芽腫に対してBNCT plus X線分割照射(XRT)plus TMZによる化学療法併用の多施設共同第二相臨床試験のプロトコルを実施した。プロトコルの骨子は、診断確定後の新規診断膠芽腫に対して、BNCT plus XRT plus chemotherapy の治療効果を検討解析することにある。具体的には、集積機序の異なる2種類の硼素化合物(BSH,BPA)を用いたBNCTをBPA-PETの結果をもとにした線量計画下に行った。その後X線による分割外照射を追加した。
結果と考察
平成24年2月現在で18例に実施している。総症例数は45例を予定しているので、平成24年度に総数27例の新規診断膠芽腫症例を本プロトコルで治療を行い、平成25年度を観察期間とし、その効果をそれぞれの施設で経験しているX線、TMZ併用治療群(historical control, HC群)との間に全生存の差異の検討を予定している。
結論
本臨床試験は3年計画であり、その1年が経過した段階であるので、その臨床成績に関してコメントできる段階ではない。現在までの登録症例においては重篤な副作用を経験しておらず、独立モニタリング委員会から臨床試験の中止を勧告されるような事象は生じていない。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201114047Z