ハイリスク大動脈弁狭窄症患者に対する経カテーテル的大動脈弁植込み術の有用性の評価-日本における大動脈弁狭窄症に対する総括的治療戦略の構築-

文献情報

文献番号
201114043A
報告書区分
総括
研究課題名
ハイリスク大動脈弁狭窄症患者に対する経カテーテル的大動脈弁植込み術の有用性の評価-日本における大動脈弁狭窄症に対する総括的治療戦略の構築-
課題番号
H23-臨研推・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
澤 芳樹(大阪大学 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 南都 伸介(大阪大学 医学系研究科)
  • 中谷 敏(大阪大学 医学系研究科)
  • 倉谷 徹(大阪大学 医学系研究科)
  • 坂口 太一(大阪大学 医学系研究科)
  • 鳥飼 慶(大阪大学 医学系研究科)
  • 島村 和男(大阪大学 医学系研究科)
  • 竹田 泰治(大阪大学 医学部附属病院)
  • 大門 貴志(兵庫医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 高度医療評価制度を通じ、未だ不明な本邦での経カテーテル的大動脈弁植込み術 (TAVI あるいはTAVR) 手技の安全性及び有効性を検討し、本治療の妥当性を評価する。また、主要TAVIデバイス間での比較検討も行う。さらに治験対象外となる透析や重度心不全合併などの超ハイリスクな患者、大動脈弁置換術後の生体弁機能不全患者に対する本手技の臨床成績を蓄積し、TAVI適応範囲の拡大をめざす。
研究方法
平成23年度
1.TAVIの実施
適応: 弁尖の硬化変性に起因する重度大動脈弁狭窄を有する患者。
大動脈弁置換術後の生体弁機能不全患者を含む
  1.) Edwards SAPIEN Transcatheter Heart Valve
  2.) Medtronic CoreValve ReValving System
2. 術後早期成績の検討
3. 大動脈弁狭窄症患者における大動脈弁弁輪部周囲の形態学的・解剖学的研究

平成24-27年度
1.TAVIの実施
2.術後早期及び遠隔期成績の検討
3. TAVIナビゲーションソフトの開発及び手技の実践
 
結果と考察
 平成23年度内にEdwards SAPIENを用いたTAVIを計11例で施行した。うち2例は本術式の治験では対象外となる低左心機能症例であった。治験では扱われないハイリスク症例への積極的導入が果たされ、当初の目的を達しつつある。
 術後経過をフォロー中、現時点までで死亡例なし。有意な大動脈弁逆流から再度のTAVIを要した症例を除き、重篤な合併症も認めず。ほとんどの症例で術後自覚症状は改善し、心エコーにて大動脈弁口及び、大動脈弁位での圧較差の改善を認めている。以上から、術後早期に関して満足し得る成績が得られたと考えられた。
 開心術ハイリスク大動脈狭窄症60症例以上を対象とした画像診断のデータから、邦人における大動脈弁輪部周囲に関する詳細な形態学的・解剖学的検討を行った。
結論
 高度医療評価制度を通じ、平成23年度内に治験では適応外となる低心機能患者2例を含む計11例の患者にTAVIを施行し、良好な術後早期成績を得た。今後フォローアップを続け、遠隔期の成績を検討するとともに、他デバイスとの比較検討を行い、本邦での同術式の有効性・妥当性の評価を継続していく。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201114043Z