文献情報
文献番号
201114023A
報告書区分
総括
研究課題名
創薬化を目指したglypican-3由来がんペプチドワクチン療法のエビデンス創出のための臨床試験
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-臨床研究・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中面 哲也(独立行政法人国立がん研究センター 東病院 臨床開発センター がん治療開発部)
研究分担者(所属機関)
- 木下 平(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
- 古瀬 純司(杏林大学 医学部)
- 池田 公史(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
- 小西 大(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
- 小菅 智男(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院)
- 國土 典宏(東京大学医学部附属病院)
- 建石 良介(東京大学医学部附属病院)
- 石井 浩(がん研究会有明病院)
- 若林 剛(岩手医科大学)
- 河島 光彦(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
- 斎田 俊明(信州大学 医学部)
- 木庭 幸子(信州大学 医学部)
- 山崎 直也(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院)
- 尹 浩信(熊本大学 大学院)
- 中川原 章(千葉県がんセンター)
- 原 純一(大阪市立総合医療センター)
- 真部 淳(聖路加国際病院)
- 塩田 曜子(独立行政法人国立成育医療研究センター)
- 木下 義晶(九州大学 大学院医学研究院)
- 孝橋 賢一(九州大学 大学院医学研究院)
- 金森 豊(独立行政法人国立成育医療研究センター)
- 細野 亜古(独立行政法人国立がん研究センター 中央病院)
- 吉川 史隆(名古屋大学 大学院医学系研究科)
- 永井 完治(独立行政法人国立がん研究センター 東病院)
- 佐藤 昇志(札幌医科大学 医学部)
- 吉村 健一(京都大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
55,378,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
肝細胞がんを中心として、GPC3を発現するがんを対象にGPC3ペプチドワクチン療法の有効性を検証する様々な臨床試験を実施し、科学的エビデンスを創出して、製薬企業への導出、企業治験の実施、医薬品としての承認申請までの道のりを一気に短縮することを目指す。
研究方法
1. 肝細胞がんに対するGlypican-3ペプチドワクチンの臨床試験
2. ペプチドワクチン療法の効果をさらに高めるための基礎研究
3. 卵巣明細胞腺がんに対する臨床第Ⅱ相試験
4. 各種小児がんに対する臨床試験
5. 肺がんを対象としたペプチドワクチン療法の開発
6. 悪性黒色腫を対象としたペプチドワクチン療法の開発
2. ペプチドワクチン療法の効果をさらに高めるための基礎研究
3. 卵巣明細胞腺がんに対する臨床第Ⅱ相試験
4. 各種小児がんに対する臨床試験
5. 肺がんを対象としたペプチドワクチン療法の開発
6. 悪性黒色腫を対象としたペプチドワクチン療法の開発
結果と考察
GPC3ペプチドワクチン臨床第Ⅰ相試験における免疫学的および予後解析を行い、本療法が生存期間の延長においても、今後十分期待できるものである根拠を示すことができた。肝細胞がんの手術・ラジオ波焼灼療法での根治的治療後の再発予防を目指した第Ⅱ相試験は、順調に症例登録が進んでおり、早急な登録完了を目指す。GPC3ペプチドワクチン投与により著明な臨床効果がみられた患者末梢血中にはGPC3を発現するがん細胞を傷害できるGPC3特異的CTLも存在することが明らかとなった。新規CTL誘導法により、多くの患者に適応できるCTL療法が開発可能となる見込みを得た。H2-KbまたはH2-Db 拘束性 GPC3由来エピトープペプチドとしてmGPC3-1 127-136 (AMFKNNYPSL)を同定した。ペプチド腫瘍内注入は、将来的にペプチド特異的免疫療法の効果を増強する治療オプションとなる可能性を秘めた新戦略と考えられる。
卵巣明細胞腺がん患者においてもほぼ全例において免疫学的モニタリングにてワクチン投与前に比べ、ワクチン投与後でGPC3特異的CTLが末梢血中に増加していることが確認でき、安全性についても確認できつつある。1症例のみで短期間ではあるがワクチン投与中に臨床効果が得られた進行群症例が出現した。
小児がん領域でのGPC3ペプチドワクチン療法第Ⅰ相試験を開始した。今後強力な患者リクルートにより出来るだけ早期に試験を終了する。
卵巣明細胞腺がん患者においてもほぼ全例において免疫学的モニタリングにてワクチン投与前に比べ、ワクチン投与後でGPC3特異的CTLが末梢血中に増加していることが確認でき、安全性についても確認できつつある。1症例のみで短期間ではあるがワクチン投与中に臨床効果が得られた進行群症例が出現した。
小児がん領域でのGPC3ペプチドワクチン療法第Ⅰ相試験を開始した。今後強力な患者リクルートにより出来るだけ早期に試験を終了する。
結論
本研究班の強力な研究体制での質の高い臨床試験の遂行による科学的エビデンスの創出により、GPC3ペプチドワクチンの製薬企業への導出が実現した。
公開日・更新日
公開日
2012-06-29
更新日
-