低侵襲性体外衝撃波治療法の実用化を目指したエビデンス確立のための拠点形成

文献情報

文献番号
201114019A
報告書区分
総括
研究課題名
低侵襲性体外衝撃波治療法の実用化を目指したエビデンス確立のための拠点形成
課題番号
H21-臨床研究・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

文献情報

文献番号
201114019B
報告書区分
総合
研究課題名
低侵襲性体外衝撃波治療法の実用化を目指したエビデンス確立のための拠点形成
課題番号
H21-臨床研究・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

行政効果報告

文献番号
201114019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
狭心症に対する治療は、プラセボとの比較試験で有効性・安全性を認め、その結果をH21年度に論文化、さらに、H22年度には先進医療に承認。閉塞性動脈硬化症に対する治療はH23年度に論文化し、現在、先進医療申請中。さらに、H23年度には難治性皮膚潰瘍に対して、H24年度にはレイノー症候群に対して臨床試験を開始。急性心筋梗塞、リンパ浮腫、脊髄損傷、急性腎障害に対しても、基礎研究で有効性を確認しており、慢性心不全、消化器疾患、腎疾患に対する効果も検討中。今後、適応疾患のさらなる拡大が期待される。
臨床的観点からの成果
狭心症に対する低出力体外衝撃波治療は、先進医療として行い、予定の50例に達したためデータ解析を行っている。急性心筋梗塞および閉塞性動脈硬化症に対する臨床試験は進行中。H23年度には、難治性皮膚潰瘍に対する臨床試験を開始した。H24年度には、強皮症に伴うレイノー症候群に対して臨床試験を開始し、H25年度からは多施設医師主導治験を開始した。
ガイドライン等の開発
低出力体外衝撃波治療法を用いた多くの基礎研究および臨床試験が進み、重症狭心症に対する治療はH22年度に先進医療に承認された。また、閉塞性動脈硬化症に対する治療については、現在先進医療へ申請中である。臨床において有効性・安全性が確認されれば、標準治療の1つとなりうると考えられる。
その他行政的観点からの成果
低出力の体外衝撃波を用いたこの画期的な治療法は、麻酔や手術操作が一切不要であり低侵襲性であること、必要ならば繰り返し実施可能であること、副作用がないこと、ランニングコストが安く医療費の削減につながること、など数多くの利点がある。本研究により、患者の肉体的・精神的負担の軽減や医療費の削減により、我が国の活力のある社会の実現に大きく貢献することが期待される。
その他のインパクト
新聞報道;
(1)「衝撃波で狭心症治療」読売新聞 2010年7月10日、
(2)「狭心症に衝撃波」朝日新聞 2010年7月23日、
(3)「狭心症の新治療法」読売新聞 2010年7月10日
テレビ報道;
(1)NHK「NHKスペシャル」2013年10月27日、
(2)TBSテレビ「健康カプセル!ゲンキの時間」2013年11月3日
(3)テレビ朝日「モーニングバード!」2014年5月26日
(4)テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」2014年5月30日

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
11件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
20件
学会発表(国際学会等)
5件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Ito K, Fukumoto Y, Shimokawa H.
Cardiac shock wave therapy for ischemic cardiovascular disorders.
Am J Cardiovasc Drugs , 11 , 295-302  (2011)
原著論文2
Serizawa F, Ito K, Matsubara M, et al.
Extracorporeal shock wave therapy induces therapeutic lymphangiogenesis in a rat model of secondary lymphoedema.
Eur J Vasc Endovasc Surg , 42 , 254-260  (2011)
原著論文3
Serizawa F, Ito K, Kawamura K et al.
Extracorporeal shock wave therapy improves the walking ability of patients with peripheral artery disease and intermittent claudication.
Circ J , 76 , 1486-1493  (2012)
原著論文4
Hayashi D, Kawakami K, Ito K, et al.
Low-energy extracorporeal shock wave therapy enhances skin wound healing in diabetic mice: a critical role of endothelial nitric oxide synthase.
Wound Repair Regen. , 20 , 887-895  (2012)
原著論文5
Ito K, Fukumoto Y, Shimokawa H.
Extracorporeal shock wave therapy as a new and non-invasive angiogenic strategy.
Tohoku J Exp Med. , 219 , 1-9  (2009)
原著論文6
Kikuchi Y, Ito K, Ito Y, et al.
Double-blind and placebo-controlled study of the effectiveness and safety of extracorporeal cardiac shock wave therapy for severe angina pectoris.
Circ J. , 74 , 589-591  (2010)
原著論文7
Ito Y, Ito K, Shiroto T, et al.
Cardiac shock wave therapy ameliorates left ventricular remodeling after myocardial ischemia-reperfusion injury in piga in vivo.
Coron Artery Dis. , 21 , 304-311  (2010)
原著論文8
Yamaya S, Ozawa H, Kanno H, et al.
Low-energy extracorporeal shock wave therapy promotes VEGF expression and neuroprotection and improves locomotor recovery after spinal cord injury.
J Neurosurg. , 121 , 1514-1525  (2014)
原著論文9
Abe Y, Ito K, Hao K, et al.
Extracorporeal low-energy shock-wave therapy exerts anti-inflammatory effects in a rat model of acute myocardial infarction.
Circ J. , 78 , 2915-2925  (2014)
原著論文10
Ito K, Shimokawa H.
The Future of Non-Invasive Angiogenic Therapy Using Acoustic Waves.
Circ J. , 79 (9) , 1906-1907  (2015)
10.1253/circj.CJ-15-0809.
原著論文11
Saito S, Ishii T, Kamogawa Y, et al.
Extracorporeal Shock Wave Therapy for Digital Ulcers of Systemic Sclerosis: A Phase 2 Pilot Study.
Tohoku J Exp Med. , 238 (1) , 39-47  (2016)
10.1620/tjem.238.39.

公開日・更新日

公開日
2015-05-27
更新日
2017-06-20

収支報告書

文献番号
201114019Z