文献情報
文献番号
201114018A
報告書区分
総括
研究課題名
極細径光ファイバ圧力センサ
課題番号
H21-臨床研究・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
芳賀 洋一(東北大学 大学院医工学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 齋木 佳克(東北大学大学院医学系研究科)
- 松永 忠雄(マイクロシステム融合研究開発センター)
- 戸津 健太郎(マイクロシステム融合研究開発センター)
- 太田 信(東北大学 流体科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
45,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
センサの改良を行うとともに、極細径光ファイバ圧力センサを組み込んだデバイスと計測システムを用途ごとに最適化し、安全性と効果の評価を行い、臨床応用と実用化を加速する。
研究方法
センサの接合材料と接合方法を改良するとともに、用途ごとに計測システムの最適化も行った。さらにセンサ実装したデバイスを血管モデルおよび動物実験においてその有効性と安全性の確認を行った。
結果と考察
接合方法を改良したセンサは長期温度特性が改善し、センサ作製接合時の押しつけ力を制御することで歩留りが大幅に向上した。
被覆付き光ファイバ型センサについて被覆の構成を改良し、目的部位まで速やかに挿入可能である良好なプッシャビリティーを実現した。ブタの冠動脈内の血圧を測定した圧力波形から、試作した被覆付き光ファイバ圧力センサは体内においても圧力の測定に問題がないことが確認できた。大腿動脈から冠動脈までデバイスを誘導する操作を10回繰り返したが、デバイスの破損を認めず、明らかな血栓の付着も認めなかった。X線透視下において先端に装着したPtマーカーの良好な視認性を確認できた。
選択的臓器灌流カテーテルは、ローラーポンプを使用しているため圧力値が上下に振動するが、平均値表示により振動が除去され良好な結果を得た。全身ヘパリン化したブタの頸動脈、腹部大動脈に4.4Frおよび8Fr搭載臓器灌流カテーテルをそれぞれカニュレーションし各血管において還流量を増加させると、頸動脈に挿入したカテーテル(4.4Fr)において、腹部大動脈に挿入したカテーテル(8Fr)よりも測定される圧力値の上昇が著しかった。これは頸動脈と腹部大動脈の還流域を反映しており、還流量が同等の場合、還流域が小さい領域に還流するカテーテルで測定される圧力値の上昇は大きいことを示しており有効性が確認できた。長時間留置後にカテーテル先端の観察を行ったが、明らかな血栓の付着などを認めなかった。
被覆付き光ファイバ型センサについて被覆の構成を改良し、目的部位まで速やかに挿入可能である良好なプッシャビリティーを実現した。ブタの冠動脈内の血圧を測定した圧力波形から、試作した被覆付き光ファイバ圧力センサは体内においても圧力の測定に問題がないことが確認できた。大腿動脈から冠動脈までデバイスを誘導する操作を10回繰り返したが、デバイスの破損を認めず、明らかな血栓の付着も認めなかった。X線透視下において先端に装着したPtマーカーの良好な視認性を確認できた。
選択的臓器灌流カテーテルは、ローラーポンプを使用しているため圧力値が上下に振動するが、平均値表示により振動が除去され良好な結果を得た。全身ヘパリン化したブタの頸動脈、腹部大動脈に4.4Frおよび8Fr搭載臓器灌流カテーテルをそれぞれカニュレーションし各血管において還流量を増加させると、頸動脈に挿入したカテーテル(4.4Fr)において、腹部大動脈に挿入したカテーテル(8Fr)よりも測定される圧力値の上昇が著しかった。これは頸動脈と腹部大動脈の還流域を反映しており、還流量が同等の場合、還流域が小さい領域に還流するカテーテルで測定される圧力値の上昇は大きいことを示しており有効性が確認できた。長時間留置後にカテーテル先端の観察を行ったが、明らかな血栓の付着などを認めなかった。
結論
臨床への応用へ向けてセンサ構造と作製方法の改良、計測システムの機能付加と最適化、モデル実験と動物実験による効果の確認と安全性の確認を行った。センサの温度特性が改善され、安定して短時間に歩留まり良く作成が可能になるとともに、それぞれの具体的な用途に向けた計測システムの最適化により、臨床の医師でも容易に操作、計測できるシステムとなった。
公開日・更新日
公開日
2012-06-29
更新日
-