文献情報
文献番号
199700914A
報告書区分
総括
研究課題名
日本手話の音韻表現の規則の体系化に関する研究---聾者間の対話での日本手話を対象にして
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
福田 友美子(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
研究分担者(所属機関)
- 木村晴美(国立身体障害者リハビリテーションセンター学院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 先端的厚生科学研究分野 感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業(感覚器障害研究分野)
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
先天性の聴覚障害者で構成されるコミュニティ(聾社会)では,独特の体系を持つ手話言語(いわゆる日本手話)が伝統的に使われている.しかし,手話通訳者の多くは,現在,話し言葉をもとにして作られた日本語対応手話を使用している.これに対して,若い世代の聾者の間から,日本手話を使用してほしいという要望が出てきている.最近,このような要望は報道等で取り上げられる機会が増加していることもあって,聾者の言語としての日本手話の存在が,一般の社会でも話題になってきている.
欧米諸国では,聾者を対象とした場合の手話通訳では,聾社会で使われている手話言語を使用することが,聾者の権利として,しばらく以前から当然のこととして受け入れられている.わが国においても,聾者の社会参加をスムーズに実践するたは,通訳に日本手話を使うことが必要であろう.日本手話はそのためには,通訳者が日本手話を学習できる環境を早急に整える必要があるが, それには日本手話の体系的な研究を開始して,成果を積み上げていくことが不可欠である.
本研究ではその第1歩として,まず,聾者間の自然な対話中での日本手話の音韻規則の体系化に取り組む.聾者のごく普通の対話で使用されている日本手話では,手話単語の表現(音韻的表現)が,自然な調音結合の結果,単語を単独に表現されたものからかなり変化する場合が多く,学習が難しいことは,日本手話の学習者が経験するところである.日本手話の単語表現(音韻表現)について系統的な説明ができれば,手話通訳者などの日本手話学習者が日本手話を学習する上ばかりでなく,将来的には聾教育を効率的に行う上で,さらに聾者が社会参加していく上で,大きく役立つことになろう.
また,本研究で得られた結果は,手話通訳者の学習教材となるばかりでなく,日本手話が関係する様々な研究(日本手話の言語学的研究・聾者のための福祉機器の開発など)にも,大きく役立つことが期待される.
欧米諸国では,聾者を対象とした場合の手話通訳では,聾社会で使われている手話言語を使用することが,聾者の権利として,しばらく以前から当然のこととして受け入れられている.わが国においても,聾者の社会参加をスムーズに実践するたは,通訳に日本手話を使うことが必要であろう.日本手話はそのためには,通訳者が日本手話を学習できる環境を早急に整える必要があるが, それには日本手話の体系的な研究を開始して,成果を積み上げていくことが不可欠である.
本研究ではその第1歩として,まず,聾者間の自然な対話中での日本手話の音韻規則の体系化に取り組む.聾者のごく普通の対話で使用されている日本手話では,手話単語の表現(音韻的表現)が,自然な調音結合の結果,単語を単独に表現されたものからかなり変化する場合が多く,学習が難しいことは,日本手話の学習者が経験するところである.日本手話の単語表現(音韻表現)について系統的な説明ができれば,手話通訳者などの日本手話学習者が日本手話を学習する上ばかりでなく,将来的には聾教育を効率的に行う上で,さらに聾者が社会参加していく上で,大きく役立つことになろう.
また,本研究で得られた結果は,手話通訳者の学習教材となるばかりでなく,日本手話が関係する様々な研究(日本手話の言語学的研究・聾者のための福祉機器の開発など)にも,大きく役立つことが期待される.
研究方法
日本語音声では,ゆっくりと明瞭に発話した単語レベルでの音声と日常的な会話の音声の中での母音や子音は,大きく異なっている.聾者の言語である日本手話も同様であろうと考え,はっきりと丁寧に一語ずつ発話した場合の単語(基本形)と,日常的な会話中での単語の発話の違いを分析し整理した.
まず,聾者2人の30分にわたる対話をビデオ録画し,これを研究対象にすることにした.次に,対話の中に含まれている単語をひとつづつ拾い出し,その単語に対応したビデオ画像のアドレスとの対応をデータベースにして,画像を探し出せるようにできるようにし,その単語の対話中での表現を単独で明瞭に表現されたその単語の基本的な表現と簡単に比較できるようにした. 聾者の対話の一連の連なりの日本手話を,1単語づつに分解することは,日本手話がかなり堪能な聴者にとっても非常に困難である.しかし,日本手話のネイティブスピーカである聾者にとって,これは比較的簡単であることはこれまでの経験からわかっていた.そこで,1単語ずつに分解して,どのような単語から構成されていてかについての分析は,日本手話のネイティブスピーカである聾者に担当してもらった.これまで,聾者間の対話は,独特の表現方法や音韻表現の変化の存在・表現スピードの速さなど,様々な理由から聴者には難解であるため,ほとんど研究対象にはなってこなかった.我々は,研究グループに日本手話のネイティブスピーカである聾者を含めることで,この問題を解決しようとしたが,それはうまくいったように思う.単語を区分していく上で,類似の手指動作の単語をどのように区分するかについて,4人の聾者を含めた8人で,単語の使用法・表現法など討論して単語の区分についての基本規則を設け,それに従って区分を行い,1単語と決定された単語ごとに適切と思われるラベルをつけていった.この場合,アメリカなどでの研究と同様,ラベルの記載には,便宜的に日本語表現を用いた.さらに,単語レベルだけでなく文レベルででも手話表現の画像をさがせるようにして,それらをデータベースにまとめ,将来,様々な日本手話の研究に利用できるようにした.
次に,ラベル付けされたすべての単語について,聾者がそれらの単語単独で明瞭に表現したもの(これに基本型と名づけた)をビデオ録画し,これを比較のための発話材料とした.対話中での手指動作による単語表現が基本型から次の項目 :?手型,?動作位置,?接触の有無の変形があるか,?両手手話が片手手話になっているか,?動き:について,異なっているものすべて分析・記述し,データベースにまとめ,これを活用して,日本手話の音韻表現の変化の体系化を行った.
まず,聾者2人の30分にわたる対話をビデオ録画し,これを研究対象にすることにした.次に,対話の中に含まれている単語をひとつづつ拾い出し,その単語に対応したビデオ画像のアドレスとの対応をデータベースにして,画像を探し出せるようにできるようにし,その単語の対話中での表現を単独で明瞭に表現されたその単語の基本的な表現と簡単に比較できるようにした. 聾者の対話の一連の連なりの日本手話を,1単語づつに分解することは,日本手話がかなり堪能な聴者にとっても非常に困難である.しかし,日本手話のネイティブスピーカである聾者にとって,これは比較的簡単であることはこれまでの経験からわかっていた.そこで,1単語ずつに分解して,どのような単語から構成されていてかについての分析は,日本手話のネイティブスピーカである聾者に担当してもらった.これまで,聾者間の対話は,独特の表現方法や音韻表現の変化の存在・表現スピードの速さなど,様々な理由から聴者には難解であるため,ほとんど研究対象にはなってこなかった.我々は,研究グループに日本手話のネイティブスピーカである聾者を含めることで,この問題を解決しようとしたが,それはうまくいったように思う.単語を区分していく上で,類似の手指動作の単語をどのように区分するかについて,4人の聾者を含めた8人で,単語の使用法・表現法など討論して単語の区分についての基本規則を設け,それに従って区分を行い,1単語と決定された単語ごとに適切と思われるラベルをつけていった.この場合,アメリカなどでの研究と同様,ラベルの記載には,便宜的に日本語表現を用いた.さらに,単語レベルだけでなく文レベルででも手話表現の画像をさがせるようにして,それらをデータベースにまとめ,将来,様々な日本手話の研究に利用できるようにした.
次に,ラベル付けされたすべての単語について,聾者がそれらの単語単独で明瞭に表現したもの(これに基本型と名づけた)をビデオ録画し,これを比較のための発話材料とした.対話中での手指動作による単語表現が基本型から次の項目 :?手型,?動作位置,?接触の有無の変形があるか,?両手手話が片手手話になっているか,?動き:について,異なっているものすべて分析・記述し,データベースにまとめ,これを活用して,日本手話の音韻表現の変化の体系化を行った.
結果と考察
1. 聾者の対話の日本手話で使用される単語
本研究で対象にした30分間の2人の対話中で使用されていた単語の種類の数とその延べ数は,聾者Iではそれぞれ421・2,675で,聾者Fでは352・1,324で,二人を合計すると590・3,999であった.聾者Iが聾者Fにくらべてに多く,単語の延べ数はほぼ2倍になっているが,使用単語の種類の数には,延べ数ほどには差はなかった. 高頻度使用単語の調べてみたところ, 2人の聾者間での高頻度使用単語は類似していた.使用頻度の高い単語を眺めてみると,日本手話で基本的に高頻度に使用される基本単語であると思われるものが多かった.そこで話されていた単語は,600種位延べ数4,000語に及んでいた.日本手話で独特の機能をもっていると思われる代名詞である指さしの使用頻度がずば抜けて多く,さらに,「何」,「意味」などのラベルが付けられた単語の使用頻度が高かった.これらの単語は,ラベルに採用された日本語表現に対応するの疑問詞的・名詞的な使われ方だけでなく,句を作ったりするためにも使用されていて,日本手話に独特の基本的な単語である.これまで,聾者の日常での会話で高い頻度で使用されている基本単語についてのデータは皆無であったので,今回得られた結果は,貴重なものであろう.
2. 単語の基本型と対話中の単語での手指動作表現(音韻表現)の違い
(1) 手型に関して:音声言語と同様に,対話中の日本手話も,調音器官である手や指に負担がかからないように,前後の単語(特に前の単語)の手型の影響を受けて,手型が変形したりリラックスした形へ変形していた.それぞれの手型は,条件を満たす必要のある最小限の条件をもち,この条件を満たす多くの手型から,手指に負担がかからない型のものが,前後の単語の手型から影響されて,決定されているようだった.
(2) 位置に関して:単語を表現するための手指動作の行われる位置について,調音器官である手指が体の一部に接触するような単語では,そうでないものよりもその限定は大きくなる.そこで,接触を伴う単語と伴わない単語について分けて整理した.
?接触を伴わない場合:対話などの日常的な手話表現では,手・指・腕などの調音器官への負担を少なくするために,手指動作を行う位置が,顔下部から胸のあたりに集中する傾向にあるといわれてきた.本研究でも,頭の位置で表現するとされてきた単語が,前後の単語と動きが結びついた結果,胸や腹の位置で,表現されていた.このような接触を伴わないような単語では,前後の単語(特に前の単語)に影響されて,かなり自由に動作位置が移動する傾向があった.このような単語では,基本形自体,特に頭部の近辺で手指動作が行われる手話単語では,手話通訳者などの聴者がそれぞれの単語の位置を狭く限定して考えがちであるが,ネイティブスピーカの聾者はそれよりは大分広い範囲でとらえているようである.
?頭部で接触する場合:頭部に手指が接触して表現される単語には,「思う」「得意」などの高頻度使用単語も含まれ,単語数もかなり多い.調音器官への負担が軽減するよう,対話中で手話では,頭部で接触をする単語は接触をしないですむように変形していた.その変形を,手指の調音位置は前後の単語と動きがスムーズになるよう胸の高さなどに移動して,手型・動きはそのままに手指動作をする.その際,頭を手指の方向へ小さく傾ける動きが伴うのが普通である.このような変形は比較的頻繁に生じ,頭部に接触を伴う「なんだ(S)」「簡単」「得意」などの単語でも,観察された.
?手や腕と接触する場合:手や腕と接触するような単語には,高頻度使用単語としては,「時」「まで」「決める」などがある.「時」のように手のひらに接触点のある単語では,前後の単語が片手手話だったり動作位置が左腕から遠い場合には,右手だけで表現されているものが多かった.「まで」「決める」のような左手の手のひらに接触する単語では,前後の単語が片手手話であると,手のひらの代わりに胴体などの体の一部に接触させて表現している.
(3) 両手を使用する手話単語の変形:両手を使用する手話単語には,左右の手が同じ手型・動きの対称型と,異なっている非対称型とがある.どちらの型でも,前後の単語が片手手話だったりする場合には,その影響から左手が省略され,右手だけの動作表現になることが,頻繁に観察された.非対称型の単語でも,高頻度に使用される基本単語では,むしろ利き手だけで表現されるのが普通の状況になっている.これも調音器官への負担を少なくする方向へ主手指動作表現が変形していった例であろう.
(4) 動きに関する変形:対話中での手話単語の動きの変形については,発話を観察すると調音器官に負担がかからないよう単語と単語とのつながった動きがスムーズに連続している印象があるが,その記述が非常に難しい理由から,現時点において,詳しい分析は進んでいない.動きのリズム・繰り返しの回数・動きの方向などに変化が生じている単語が観察されたが,その変形の理由は,調音的なものからではなく,動詞の意味的表現や複合語作製などの文法規則に関連するもののように考えられた.今後,ひとつずつ取り上げて研究計画を立て,詳しい研究を予定している.
本研究で対象にした30分間の2人の対話中で使用されていた単語の種類の数とその延べ数は,聾者Iではそれぞれ421・2,675で,聾者Fでは352・1,324で,二人を合計すると590・3,999であった.聾者Iが聾者Fにくらべてに多く,単語の延べ数はほぼ2倍になっているが,使用単語の種類の数には,延べ数ほどには差はなかった. 高頻度使用単語の調べてみたところ, 2人の聾者間での高頻度使用単語は類似していた.使用頻度の高い単語を眺めてみると,日本手話で基本的に高頻度に使用される基本単語であると思われるものが多かった.そこで話されていた単語は,600種位延べ数4,000語に及んでいた.日本手話で独特の機能をもっていると思われる代名詞である指さしの使用頻度がずば抜けて多く,さらに,「何」,「意味」などのラベルが付けられた単語の使用頻度が高かった.これらの単語は,ラベルに採用された日本語表現に対応するの疑問詞的・名詞的な使われ方だけでなく,句を作ったりするためにも使用されていて,日本手話に独特の基本的な単語である.これまで,聾者の日常での会話で高い頻度で使用されている基本単語についてのデータは皆無であったので,今回得られた結果は,貴重なものであろう.
2. 単語の基本型と対話中の単語での手指動作表現(音韻表現)の違い
(1) 手型に関して:音声言語と同様に,対話中の日本手話も,調音器官である手や指に負担がかからないように,前後の単語(特に前の単語)の手型の影響を受けて,手型が変形したりリラックスした形へ変形していた.それぞれの手型は,条件を満たす必要のある最小限の条件をもち,この条件を満たす多くの手型から,手指に負担がかからない型のものが,前後の単語の手型から影響されて,決定されているようだった.
(2) 位置に関して:単語を表現するための手指動作の行われる位置について,調音器官である手指が体の一部に接触するような単語では,そうでないものよりもその限定は大きくなる.そこで,接触を伴う単語と伴わない単語について分けて整理した.
?接触を伴わない場合:対話などの日常的な手話表現では,手・指・腕などの調音器官への負担を少なくするために,手指動作を行う位置が,顔下部から胸のあたりに集中する傾向にあるといわれてきた.本研究でも,頭の位置で表現するとされてきた単語が,前後の単語と動きが結びついた結果,胸や腹の位置で,表現されていた.このような接触を伴わないような単語では,前後の単語(特に前の単語)に影響されて,かなり自由に動作位置が移動する傾向があった.このような単語では,基本形自体,特に頭部の近辺で手指動作が行われる手話単語では,手話通訳者などの聴者がそれぞれの単語の位置を狭く限定して考えがちであるが,ネイティブスピーカの聾者はそれよりは大分広い範囲でとらえているようである.
?頭部で接触する場合:頭部に手指が接触して表現される単語には,「思う」「得意」などの高頻度使用単語も含まれ,単語数もかなり多い.調音器官への負担が軽減するよう,対話中で手話では,頭部で接触をする単語は接触をしないですむように変形していた.その変形を,手指の調音位置は前後の単語と動きがスムーズになるよう胸の高さなどに移動して,手型・動きはそのままに手指動作をする.その際,頭を手指の方向へ小さく傾ける動きが伴うのが普通である.このような変形は比較的頻繁に生じ,頭部に接触を伴う「なんだ(S)」「簡単」「得意」などの単語でも,観察された.
?手や腕と接触する場合:手や腕と接触するような単語には,高頻度使用単語としては,「時」「まで」「決める」などがある.「時」のように手のひらに接触点のある単語では,前後の単語が片手手話だったり動作位置が左腕から遠い場合には,右手だけで表現されているものが多かった.「まで」「決める」のような左手の手のひらに接触する単語では,前後の単語が片手手話であると,手のひらの代わりに胴体などの体の一部に接触させて表現している.
(3) 両手を使用する手話単語の変形:両手を使用する手話単語には,左右の手が同じ手型・動きの対称型と,異なっている非対称型とがある.どちらの型でも,前後の単語が片手手話だったりする場合には,その影響から左手が省略され,右手だけの動作表現になることが,頻繁に観察された.非対称型の単語でも,高頻度に使用される基本単語では,むしろ利き手だけで表現されるのが普通の状況になっている.これも調音器官への負担を少なくする方向へ主手指動作表現が変形していった例であろう.
(4) 動きに関する変形:対話中での手話単語の動きの変形については,発話を観察すると調音器官に負担がかからないよう単語と単語とのつながった動きがスムーズに連続している印象があるが,その記述が非常に難しい理由から,現時点において,詳しい分析は進んでいない.動きのリズム・繰り返しの回数・動きの方向などに変化が生じている単語が観察されたが,その変形の理由は,調音的なものからではなく,動詞の意味的表現や複合語作製などの文法規則に関連するもののように考えられた.今後,ひとつずつ取り上げて研究計画を立て,詳しい研究を予定している.
結論
日常的な対話で行われている単語表現を,ゆっくりと丁寧に一語ずつ発話した単語表現(基本型)と比較した.それに基づいて,聾者間の対話で使用されている日本手話の単語の手指表現が基本的表現からどのように変化するかについて,体系化を試みた.その結果,次のことがわかった.
(1) 手型では,それぞれの手型には必ず表現しなくてはならない手指の形の必要条件があり,それさえ満たしていれば,かなり広い範囲へ変形していた.
(2) 位置については,?接触を伴わない単語では,前後の単語(特に前の単語)に影響されて,動作位置が移動していた.?接触を伴う単語は,基本形では動作位置はかなり狭い範囲に限定されるが,対話では接触を伴わずに発話され,大きな位置の移動があった.
(3) 両手で表現される単語では,非利き手の動作が省略されていた.
以上の変形すべて,手・指・腕などの調音器官に負担がかからないよう,前後の単語との組み合わせから,どのような表現がなされるかが,決定されていた.
(1) 手型では,それぞれの手型には必ず表現しなくてはならない手指の形の必要条件があり,それさえ満たしていれば,かなり広い範囲へ変形していた.
(2) 位置については,?接触を伴わない単語では,前後の単語(特に前の単語)に影響されて,動作位置が移動していた.?接触を伴う単語は,基本形では動作位置はかなり狭い範囲に限定されるが,対話では接触を伴わずに発話され,大きな位置の移動があった.
(3) 両手で表現される単語では,非利き手の動作が省略されていた.
以上の変形すべて,手・指・腕などの調音器官に負担がかからないよう,前後の単語との組み合わせから,どのような表現がなされるかが,決定されていた.
公開日・更新日
公開日
-
更新日
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