脳内留置型微細内視鏡の開発と前臨床試験研究

文献情報

文献番号
201111030A
報告書区分
総括
研究課題名
脳内留置型微細内視鏡の開発と前臨床試験研究
課題番号
H23-医療機器・指定-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
祖父江 憲治(岩手医科大学 医歯薬総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 小笠原 邦昭(岩手医科大学 脳神経外科学)
  • 人見 次郎(岩手医科大学 解剖学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医療機器[ナノテクノロジー等]総合推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、重症頭部外傷やくも膜下出血重症例に術後脳内に留置し、術後の血流管理や血管動態の経時的なモニターを可能とする脳内留置型微細内視鏡の開発を目指し、医療用機器としての臨床応用を目的とした前臨床試験研究である。
研究方法
本年度は脳内留置型微細内視鏡のプロトタイプを開発・作製した。撮像装置は微細なグラスファイバーを採用することによって高精細画像の取得を可能としながら限定された頭蓋内空間においても圧迫負荷を加えない形状とした。また蛍光プローブを用いることによる脳血管・血流動態の可視化についても検討を行った。
結果と考察
微細内視鏡プロトタイプを用いた撮像試験を行い、また動物モデルを用いた血管撮像を実施した。現段階で微細な血管まで良好な解像度での観察が可能となった。今後の改良点として、高精度かつに広範囲の脳内環境をモニターするためにグラスファイバー、照明装置の改良を行うとともに、安全性のための構成素材の検討を進めている。さらに、脳外科領域で既に安全に用いられているインドシアニングリーン色素を用いた蛍光観察を軸に、経時的な脳血管・血流動態をモニターするための方法についても検討を進めている。
結論
脳内留置型微細内視鏡はこれまで困難であった脳外科手術閉頭後の頭蓋内環境を正確にモニターし、より迅速かつ的確な処置を可能とする画期的なアプローチとなり得るものである。本年度はプロトタイプの完成により、重要な研究実施基盤を打ち立てることができた。より高度な医療機器としての完成を目指し、今後、機能の洗練と安全性の確認を進めていく。

公開日・更新日

公開日
2012-08-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201111030Z